新型コロナウイルスの感染拡大により大打撃を受けた飲食業界。現在は行動制限が無くなり、自由に外食できるようになりました。
近年では、国内需要のみに限らず外国人観光客で賑わっています。
2023年における飲食店の倒産件数は前年2022年に比べて増大し、居酒屋やカフェは過去最多というデータが発表され、取り上げられたのです。
(出典元:「飲食店」の倒産 帝国データバンク)
このようにコロナ禍の間に飲食店を開業して、閉店してしまったお店は数多く存在します。
今回は新型コロナウイルスの影響で飲食店経営が失敗してしまった人必見。失敗を糧に立ち直る方法について紹介していきます。
失敗で終えて後悔が残っている人がいるのではないでしょうか。「もう一度、お店を再生したい!」と思っている人はぜひこの記事を参考にしてみてください。
目次
どれぐらいの飲食店が失敗した?
コロナ禍に飲食店を開業してどのくらいのお店が失敗してしまったのでしょうか。近年では、行動制限が無くなり自由に外食できるようになりました。
国内需要に限らず、円安による外国人観光客が増えたことにより飲食店業界は賑わっています。しかし、調査によると2023年の倒産件数は前年と比較して7割も増加したというデータが発表されています。
(出典元:「飲食店」の倒産 帝国データバンク)
新型コロナウイルスの感染拡大により飲食店の営業制限が出され、売上を見込めない厳しい期間がありました。お店によっては協力金などの支援により、閉店を免れたところも少なくありません。
コロナ禍を経た現在では、支援は縮小したもののコロナ禍以前の客足が見込めず、閉店してしまったお店も数多くあります。
特に閉店が多かった業態は、居酒屋やラーメン店。さらに、喫茶店があります。主に、資金繰りが厳しくなった自営店があげられます。
閉店する要因として、コロナ禍による消費者の行動変容に加え、人手不足による人件費の上昇。さらに、食材などの物価高の影響が大きかったことが要因です。
調査によれば、物価高の商品へ「価格転嫁ができていない」と答えた飲食店は全体の7割という結果も発表されています。
(出典元:東京商工リサーチ)
コロナ禍で飲食店が失敗してしまった理由
コロナ禍で多くの飲食店が失敗してしまいました。いったいどうして失敗してしまったのでしょうか。
ここではコロナ禍により飲食店が失敗してしまった理由について紹介していきます。主に以下のことがあげられます。
・政府の規制とロックダウン
・需要の低下
・経済的不安
・人手不足
・テイクアウトやデリバリーの課題
それぞれ詳しくみていきましょう。
コロナ禍で多くの飲食店が失敗に追い込まれた背景には、以下の複合的な要因が挙げられます。
政府の規制とロックダウン
一つ目は、政府の規制とロックダウンによる失敗です。政府による飲食店の営業時間の制限や、夜間営業の禁止が多くの飲食店に影響を与えました。
居酒屋などの、収益の大部分を夜間に依存しているお店にとっては残酷な規制だったのでしょう。
また、完全なロックダウンや緊急事態宣言の際には、店内での飲食が禁止されていました。
これにより、客席数が大幅に減少し、売上が激減しています。
需要の低下
二つ目は、需要の低下による失敗です。コロナ禍により、多くの人が外出を控え、自宅での食事を選ぶようになったことにより、飲食店の需要が大幅に減少しました。
観光客に依存していた飲食店では、旅行制限によって顧客を失い、大きな打撃を受けたのです。
また、経済的不安から消費者が外食を控え、より安価な食事を選ぶようになったことも、飲食店の売上に影響したのだといえます。
経済的不安
三つ目は、経済的不安です。コロナ禍の影響により多くの人が職を失ったり、収入が減少したりしたため、外食にかける予算が減り飲食店への支出が減少したのです。
売上の減少が起きているにもかかわらず、毎月賃料を支払う必要があるため、多くの飲食店が経営困難に陥りました。
人手不足
四つ目は、人手不足による失敗です。コロナ禍で多くのスタッフが休業したり、他の職業に転職したりしたため、飲食店は人手不足に悩まされました。
特に、外国人労働者が減少したことが、労働力に依存していた飲食店に大きな影響を与えたのです。
また、新型コロナウイルス感染のリスクが高い中で、スタッフを安心して働かせるためにマスクの購入や消毒スプレーといった道具が必要となり、追加の費用が生じてしまいました。
テイクアウトやデリバリーの課題
五つ目は、テイクアウトやデリバリーの課題による失敗です。多くの飲食店がテイクアウトやデリバリーを急遽導入しましたが、導入に新たな設備やシステムが必要であり、これらの初期投資が大きな負担となりました。
デリバリーやテイクアウトは、手数料が高く、店舗での食事と比較して利益率が低いため、売上を上げる手段として難しいケースが多くありました。
これらの要因が重なり、多くの飲食店は経営の維持が困難になったのです。コロナ禍は飲食業界に深刻な打撃を与え、従来のビジネスモデルを見直すことを余儀なくされました。
立ち直る方法とは?
コロナ禍に飲食店を開業して閉店してしまった人も多くいます。「コロナ禍ではなかったら、今頃どうなっていたのか」と後悔を抱いている人がいるかもしれません。
そのような人に向けてコロナ禍の経験を活かし、立ち直る方法はあるのでしょうか。立ち直る方法として、財務管理の見直しがあげられます。
財務管理の見直しを行うために、以下の方法が考えられます。
・現状の財務分析
・コスト構造の最適化
・キャッシュフロー管理
それぞれ詳しくみていきましょう。
現状の財務分析
一つ目は、現状の財務分析です。収支計算書・貸借対照表・キャッシュフロー計算書を見直して、どの部分に問題があるかどうか確認しておきましょう。
さらに、費用の削減が可能な箇所を探して、必要のない支出を削減しておきましょう。
コスト構造の最適化
二つ目は、コスト構造の最適化です。固定費と変動費を分け、固定費の削減をしておきます。
また、仕入れ先との交渉を行い、食材費用の削減ができるかどうか確認しておきましょう。
キャッシュフローの管理
三つ目は、キャッシュフロー管理です。将来のキャッシュフロー予測を作成し、短期・長期の資金需要を評価しておく必要があります。
さらに資金繰りを安定させるためには、金融機関や政府の支援プログラムの利用を検討しておきましょう。
まとめ
今回は新型コロナウイルスの影響で飲食店経営が失敗してしまった人必見。失敗を糧に立ち直る方法について紹介してきました。
新型コロナウイルスの影響により飲食店経営が失敗してしまった理由として、政府の規制とロックダウンや飲食店の需要低下があげられます。
このように厳しい時期を過ごしてきたお店が多い中、コロナ禍が過ぎて復活したお店もあります。
起きてしまったことは変えられないため、失敗しないためにもその状況に応じた対応をする必要があるでしょう。