神戸市は、豊かな食文化と活気ある観光業が魅力的な都市です。そんな神戸市で、飲食店を開業したいとお考えの方も多いのではないでしょうか。
しかし、飲食店開業には大きな資金が必要となります。そこで、今回は神戸市で飲食店を開業時に融資を受ける際のポイントと、開業までの流れについて解説いたします。
目次
兵庫県の開業率は全国14位
2015年度の厚生労働省の調査によると、飲食店を含む兵庫県の開業率は5.2%と全国で14位です。また廃業率は4.2%で、全国平均をやや上回っています。
廃業率がやや高い理由としては、全国的な不況の影響や、高齢者の零細商店の廃業などが挙げられます。
まずは融資、補助金、助成金、それぞれの特徴を知りましょう!
融資、補助金、助成金は、いずれも事業資金を調達する手段として活用できますが、それぞれに特徴があります。
融資
融資は、金融機関から借り入れを行うことです。利子をつけて返済する必要があるため、返済計画をしっかりと立てることが大切です。融資のメリットとしては、資金調達が早いこと、事業の自由度が高いことなどが挙げられます。
一方、デメリットとしては、利子がかかること、返済義務があることなどが挙げられます。
補助金
補助金は、国や地方公共団体などの公的機関から、事業の実施に必要な経費の一部を支給されるものです。返済の必要がないため、利子や返済の負担がありません。補助金のメリットとしては、資金調達が早いこと、利子や返済の負担がないことなどが挙げられます。
一方、デメリットとしては、申請に手間がかかること、採択率が低いことなどが挙げられます。
助成金
助成金は、補助金と似ていますが、補助金よりも受給要件が緩やかであるのが特徴です。補助金と同様、返済の必要がないため、利子や返済の負担がありません。助成金のメリットとしては、資金調達が早いこと、利子や返済の負担がないことなどが挙げられます。
一方、デメリットとしては、申請に手間がかかること、採択率が低いことなどが挙げられます。
それぞれの特徴をまとめると、以下のようになります。
資金調達の主体
融資:金融機関
補助金:国や地方公共団体など
助成金:国や地方公共団体など
返済の必要性
融資:必要
補助金:不要
助成金:不要
利子
融資:必要
補助金:不要
助成金:不要
申請の難易度
融資:やや高い
補助金:やや高い
助成金:比較的低い
資金の使い道
融資:自由
補助金:指定された用途に限る
助成金:指定された用途に限る
事業資金を調達する際には、それぞれの特徴を理解した上で、自社に最適な方法を選択することが大切です。
神戸市で利用可能な融資・補助金・助成金とは?
融資
日本政策金融公庫
日本政策金融公庫は、創業融資や事業拡大融資など、様々な融資制度を提供しています。
創業融資:創業間もない事業者向けの融資制度です。
事業拡大融資:事業の拡大を目的とした融資制度です。
後ほど詳しく説明いたします
神戸市産業振興財団
神戸市産業振興財団は、神戸市内の事業者向けの融資制度を提供しています。
創業支援融資:創業間もない事業者向けの融資制度です。
中小企業向け融資:中小企業向けの融資制度です。
詳細は、神戸市産業振興財団のホームページをご覧ください。
民間金融機関
民間金融機関でも、創業融資や事業拡大融資など、様々な融資制度を提供しています。
詳細は、各金融機関のホームページをご覧ください。
補助金・助成金
神戸市創業支援補助金
神戸市創業支援補助金は、神戸市内で創業する事業者に対して補助金を交付する制度です。
補助対象:創業する事業者
補助額:最大50万円
神戸市商店街若者・女性新規出店チャレンジ応援事業
神戸市商店街若者・女性新規出店チャレンジ応援事業は、神戸市内の商店街で新規出店する若者や女性に対して補助金を交付する制度です。
補助対象:神戸市内の商店街で新規出店する若者や女性
補助額:最大30万円
※こちらは2024年2月1日現在の情報です。最新の情報はこちらからご確認ください。
融資を受ける際に気を付けるべきポイントとは
神戸市で飲食店を開業する際に融資を受ける際には、以下の点に注意する必要があります。
事業計画の重要性
融資を受けるためには、金融機関に事業計画書を提出する必要があります。事業計画書は、開業後の売上や利益の見込み、資金繰りなどを具体的に示したもので、金融機関が融資の可否を判断する重要な資料となります。
自己資金の確保
金融機関は、自己資金をしっかり確保している人に融資を出しやすい傾向があります。自己資金が少ない場合は、開業資金の一部を貯蓄や親族からの借入などで賄うようにしましょう。
金融機関との事前相談
融資を受ける前に、金融機関に相談しておくことが重要です。相談することで、融資の条件や審査基準などを事前に把握することができます。
融資の種類
融資には、返済方法や金利などが異なる様々な種類があります。自身の事業内容や資金ニーズに合った融資を選ぶことが重要です。
返済計画
融資を受けた後は、計画的に返済していく必要があります。返済計画を立てる際には、売上や利益の見込みだけでなく、その他の資金需要も考慮しましょう。
補助金・助成金の活用
神戸市では、飲食店開業を支援する補助金・助成金制度があります。これらの制度を活用することで、返済負担を軽減することができます。
専門家の活用
融資の申し込みや手続きは複雑な場合もあります。不安な場合は、税理士や経営コンサルタントなどの専門家に相談することをおすすめします。
神戸市で開業する際の費用の相場とは?
神戸市で飲食店を開業する際の費用は、店舗の規模や形態、設備の充実度などによって大きく異なります。以下では、一般的な費用の相場と、費用を抑えるためのポイントについて説明します。
店舗取得費用
テナントの場合
敷金: 月額賃料の1~2ヶ月分
礼金: 月額賃料の1~2ヶ月分
仲介手数料: 月額賃料の1ヶ月分
造作費:坪単価5万円~10万円
購入する場合
物件価格: 立地や広さによって大きく異なる
登記費用: 物件価格の0.5~1%
仲介手数料: 物件価格の3%+6万円
設備費用
厨房設備: 100万円~300万円
客席設備: 50万円~100万円
厨房用品: 50万円~100万円
その他: 冷蔵庫、エアコン、レジなど
人件費
アルバイト: 時給1,000円~1,500円
正社員: 月給20万円~30万円
運転資金
家賃: 月額10万円~30万円
人件費: 月額50万円~100万円
食材費: 月額30万円~50万円
水道光熱費: 月額10万円~20万円
その他: 広告宣伝費、消耗品費など
神戸市で開業する際の資金調達の方法
神戸市で飲食店を開業する際には、以下の方法で資金を調達することができます。
自己資金
自己資金は、最も確実な資金調達方法です。開業資金の一部または全てを自己資金で賄うことで、借入金の負担を軽減することができます。
融資
金融機関から融資を受ける方法です。融資には、返済方法や金利などが異なる様々な種類があります。自身の事業内容や資金ニーズに合った融資を選ぶことが重要です。
補助金・助成金
神戸市や兵庫県、国などが、飲食店開業を支援する補助金・助成金制度を提供しています。これらの制度を活用することで、開業資金を軽減することができます。
クラウドファンディング
インターネットを通じて、多くの人から資金を集める方法です。開業資金の一部を調達する方法として有効です。
親族・友人からの借入
親族や友人からお金を借りる方法です。利息が発生しない場合が多く、返済の負担が軽いというメリットがあります。
リース
厨房設備や客席設備などをリースで借りる方法です。初期費用を抑えることができますが、長期的に見ると支払い総額が高くなる場合があります。
ファクタリング
売掛金を第三者に売却して資金を調達する方法です。すぐに現金化できるというメリットがありますが、手数料が高くつく場合があります。
日本政策金融公庫を利用する
日本政策金融公庫は、政府系金融機関であり、創業融資や設備投資融資など、様々な融資制度を提供しています。
創業融資
創業融資は、創業や新事業立ち上げのための資金を調達するための融資制度です。融資額は最大3,000万円で、金利は固定金利または変動金利を選択することができます。
設備投資融資
設備投資融資は、設備投資のための資金を調達するための融資制度です。融資額は最大1億円(中小企業の場合)で、金利は固定金利または変動金利を選択することができます。
※こちらは2024年2月1日現在の内容です。最新の情報など詳しくは日本政策金融公庫の公式HPなどで確認してください。
資金調達方法は、一つに絞らず、複数の方法を組み合わせるのがおすすめです。
神戸市で開業する際の実際の開業までの流れを解説
神戸市で飲食店を開業する際には、以下の流れで進めることが一般的です。
コンセプト・ターゲットの明確化
まず、どのような飲食店を開業するのか、コンセプトを明確にする必要があります。その上で、ターゲットとなる顧客層を想定しましょう。
市場調査
神戸市の飲食市場を調査し、競合店や客層などを分析します。
物件探し
コンセプトやターゲットに合致した物件を探しましょう。客席数や厨房スペース、駐車場の有無などを考慮する必要があります
事業計画書を作成する
事業計画書とは、飲食店の経営計画を示す書類です。事業計画書には、以下の内容を盛り込みましょう。
店舗の概要
店舗の立地や規模、コンセプト、内装、設備などをまとめたものです。大まかにどのような店舗を想定しているのかまとめましょう。
メニューやコンセプト
競合店を分析したり独自の強みを打ち出したりすることで競争に勝てるよう考えましょう。
ターゲット顧客
ターゲット顧客を明確にすることで店舗の方向性や立地の条件なども明確になってきます。
売上計画、収支計画
収支計画を実現可能なものにすることで明確なビジョンを打ち出しましょう。売り上げの計画もしっかりとすることで事業の実現性を明確にします。
事業計画書は、金融機関から融資を受ける際にも必要となります。
資金調達
自己資金、融資、補助金・助成金などを活用して、開業資金を調達します。
各種許可・ライセンスの取得
飲食店営業許可など、必要な許可・ライセンスを取得します。
内装工事・設備導入
店舗の内装工事を行い、厨房設備や客席設備などを導入します。
スタッフ募集・教育
スタッフを募集し、接客や調理などの教育を行います。
メニュー開発
コンセプトやターゲットに合致したメニューを開発します。
プレオープン・マーケティング
開業前にプレオープンを行い、問題点を洗い出します。また、チラシやSNSなどを活用して、開店を告知します。
開業
いよいよ、飲食店を開業します。
神戸市で飲食店を開業するメリット
観光地としての魅力
異国情緒あふれる街並みや歴史的な観光地があり、多くの観光客が訪れます。
多様な食文化
様々な文化の影響を受けた歴史があり、多様な食文化が融合しています。洋食、和食、中華などのジャンルが共存し、多様な顧客層にアプローチできます。
食材の豊富さ
世界的に知名度がある神戸牛の産地です。また港町でもあり新鮮な海産物が手に入りやすいです。
経済力の豊かさ
経済的に豊かな地域であり、住民の経済力が比較的高いです。高級レストランなど単価が比較的高いお店も受け入れられやすいといえます。
神戸市で飲食店を開業するデメリット
高い賃料
繁華街や観光エリアなど、立地条件の良い場所では賃料が高いです。開業初期は経営コストに苦慮する可能性があります。
激しい競争
観光地として人気があり、多くの飲食店が存在します。競争が激しいため、差別化や集客の工夫が求められます。
観光需要の季節性
観光需要に季節性があります。オフシーズンには需要が低下することがあります。
衛生管理基準への対応
飲食店は衛生管理が厳格であり、これに対応するための取り組みや設備投資が必要です。
神戸市で開業する際の開業資金を抑えるコツとは
神戸市で飲食店を開業する際には、できるだけ開業資金を抑えることが重要です。以下では、開業資金を抑えるためのコツをいくつかご紹介します。
中古設備を活用する
厨房設備や客席設備は、新品を購入するよりも中古品を購入することで費用を抑えることができます。最近は、状態の良い中古品も多く出回っていますので、積極的に検討しましょう。
テンポスでは多くの中古商品を取り揃えております。
DIYで内装工事を行う
内装工事は、業者に依頼するよりもDIYで費用を抑えることができます。DIYに自信がない場合は、友人や家族に手伝ってもらうのも良いでしょう。
居抜き物件を利用する
居抜き物件とは、前テナントが退去した際に内装や設備が残っている物件です。居抜き物件を利用することで、内装工事費用や設備導入費用を抑えることができます。
フリーランスや個人事業主を活用する
内装工事やデザイン、ホームページ制作などの業務は、フリーランスや個人事業主に依頼することで、費用を抑えることができます。
開業時期を工夫する
繁忙期を避けて開業することで、物件取得費用や人件費を抑えることができます。
行政の補助金・助成金を利用する
神戸市では、飲食店開業を支援する補助金・助成金制度があります。これらの制度を活用することで、開業資金を軽減することができます。
クラウドファンディングを利用する
クラウドファンディングを通じて、多くの人から資金を集める方法もあります。
設備リースを利用する
厨房設備や客席設備などをリースで借りる方法もあります。初期費用を抑えることができますが、長期的に見ると支払い総額が高くなる場合があります。
食材をまとめ買いする
食材は、まとめ買いすることで割引を受けることができます。
節水・節電対策を行う
水道光熱費を抑えることで、ランニングコストを削減することができます。
無料のツールやサービスを活用する
ホームページ制作や予約システムなど、無料で利用できるツールやサービスがあります。
行政の無料相談を利用する
神戸市では、創業支援に関する無料相談を実施しています。専門家に相談することで、開業資金を抑えるためのアドバイスを受けることができます。
まとめ
神戸市で飲食店を開業することは、決して簡単なことではありません。しかし、綿密な準備と計画、そして強い意志があれば、夢を実現することは可能です。
今回ご紹介した情報が、あなたの夢への第一歩となることを願っています。
開業に際してご相談、ご質問お気軽にお待ちしております。