パン屋を開業する方・経営している方には、「焼き立てのパンをお客さんに提供したい!」「けれどパンの売れ残りが気になって沢山は焼けない…」そんな方は多いのではないでしょうか。
また、「最近はネット販売が増えているし…。こだわりのパンを通販でも販売したい!」
なんて方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんなお悩みを解決するのが、業務用冷凍機器です!
単なる冷凍庫ではなく、「ブラストチラー」「ショックフリーザー」と呼ばれる急速冷却機器であれば、パンの品質を保ちながら効率的な生産と在庫管理を可能にします。
本記事では、そんなブラストチラー・ショックフリーザーの基本的な知識や、パン屋で活用するメリット、選び方について解説します。パン屋開業を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
ブラストチラー、ショックフリーザーの違い
機器の名前って、漢字だらけだったり、カタカナだらけだったりで難しいですよね。まずは2つの機器の性能の違いを確認して、どう使っていくのか知っていきましょう!
ブラストチラー
まずブラストチラーとは、熱々の食品を0℃~3℃前後まで急速冷却する機器です。この「0℃~3℃」とは、食中毒の原因となる細菌の増殖を抑え、また食品の風味や栄養素を損なわないようにすることの出来る温度です。
出来立てのパンをこのブラストチラーに入れて、お手製のこだわりパンを衛生的に保ちます。
ショックフリーザー
続いては、ショックフリーザーです。こちらの機器は、粗熱の取れた食品を-20℃前後まで急速冷凍する機器です。
出来立てのパンをいきなりショックフリーザーに入れても、本来の効果は発揮できません。むしろ壊れてしまいます。基本的にはブラストチラー→ショックフリーザーの順番で利用されます。
つまりは、熱々の料理をすぐに冷やしたい場合はブラストチラーが、粗熱の取れた料理をまとめて冷凍したい場合はショックフリーザーがおすすめです。
最近では、1台でこの両方の機能を兼ね備えた製品が多くありますので、この後ご紹介いたします!
ブラストチラー、ショックフリーザーをパン屋で活用するメリット
メリット
パンの風味や食感を長持ちさせる
ブラストチラー・ショックフリーザーでパンを急速冷却・急速冷凍することで、パンの水分が結晶化し、パンの風味や食感が保たれます。また、パンの中心温度が-18℃以下になると、パンの酵母の活動が停止するため、パンの酸化を防ぐことができます。
衛生的に保存できる
ブラストチラーでパンを急速冷却することで、食品の中心温度が65℃以下になるまで冷却され、雑菌の繁殖を抑えることができます。これにより、パンの腐敗を防ぎ、衛生的に保存することができます。
業務効率をアップできる
例えば、ショックフリーザーは、焼き立てのパンを冷凍することで、長期保存が可能になります。これにより、パンの製造量を調整したり、季節によって販売するパンの種類を変えたりすることができます。
また、ブラストチラーは、加熱調理したパンを急速冷却することで、ショックフリーザーに入れる前の予冷時間を短縮することができます。これにより、パンの製造効率を高めることができます。
デメリット
導入コストが高い
ブラストチラー・ショックフリーザーは、高価な機器です。小型で安価なタイプでも、数十万円からとなっており、大型になると高いものは400万円を超えることも珍しくありません。
電気代が高い
ブラストチラー・ショックフリーザーは、急速な冷却や冷凍を行うために、多くの電気を使用します。そのため、電気代は普通の冷凍庫と比べると10倍程高くなる可能性があります。
スペースをとる
ブラストチラー・ショックフリーザーは、いくら小型のタイプだとしても卓上に載せられるサイズのものはありません。そのため、設置する場所に十分なスペースを確保する必要があります。
上記のようなデメリットがあります。このデメリットを踏まえて、ブラストチラー・ショックフリーザーを導入するかどうかを検討しましょう。
例えば、パン屋の規模や製造量が小さい場合は、ブラストチラー・ショックフリーザーを導入するメリットが少ないかもしれません。また、電気代を抑えたい場合は、小型のショックフリーザーや、省エネ機能付きのブラストチラーを選ぶとよいでしょう。
ブラストチラー、ショックフリーザーの選び方
ここからは、そんなブラストチラー、ショックフリーザーを選ぶ際の比較ポイントをご紹介いたします。
機能
ブラストチラー・ショックフリーザーには、温度設定やタイマー設定などの機能が備わっています。
「この機能うまく使えてないな」「機能が沢山ありすぎて使いにくい」なんてことがあるともったいないため、ご自身の厨房で使用する際に必要な機能を備えたものを選びましょう。
価格
デメリットの部分でも触れた通り、ブラストチラー、ショックフリーザーは、高価な機器です。安価なもので80万円前後、高額なものは700万を越えます。価格がさまざまなので、予算に合わせて選びましょう。
サイズ
一口にブラストチラー、ショックフリーザーといってもサイズがさまざまなので、設置する場所に合わせて選びましょう。テンポスドットコムでは、サイズを指定して検索することが可能です。小さいものだと「幅535×奥行655×高さ735mm」のサイズの製品があります。
業務用の横型冷凍庫と同じサイズ感の「幅1200×奥行750×高さ800mm」の機器もあります。
大きいものだと「幅1500×奥行1326×高さ2370」の、業務用縦型冷凍庫と同じサイズ感のものがあります。
おすすめのブラストチラー、ショックフリーザー
ここからは、先ほどお話ししたポイントに触れながら、おすすめの機器をいくつか紹介していきます!
【フクシマガリレイ】ブラストチラー QXF-006SFLT2
メーカー:フクシマガリレイ
外形寸法:幅1200×奥行750×高さ800(mm)
電源:三相200V
内容量:147L
消費電力/電流(50/60Hz):[冷却時] 925/975[霜取時 ]636/636
こちらは横型の冷蔵庫と同じサイズ感のタイプです。
なんとこちらの商品は使い方の説明動画付きです!私がここでつらつらと書くより、そちらを見ていただいた方が早いと思いますので、ぜひご覧ください。
【フクシマガリレイ】ブラストチラー QXF-006SFLT2を見る
【FMI】IRINOX 小型ブラストチラー&ショックフリーザー EFNEXT-XS
メーカー:FMI
外形寸法:幅535×奥行655×高さ740mm
電源:単相100V 50/60Hz
電流:9.5/10A
消費電力:790/940W
収納ホテルパン枚数:1/1GN 65mm/20mm 3枚
質量:72kg
こちらは小型タイプなのにブラストチラーとショックフリーザーの両方の機能がついた製品です。さらに冷却・冷凍だけでなく加熱までもできるという優れモノ!
機能の詳細や価格は商品ページからご覧ください。
【FMI】IRINOX 小型ブラストチラー&ショックフリーザー EFNEXT-XSを見る
中古商品も侮れない?!
高額な機器のため、少しでも安く手に入れたいですよね。そんな方には中古商品もオススメしております!同等商品で100万円もお得に買える場合も…?!
「中古商品」といっても、数回使っただけできれいな状態の機器もございます。見分けるポイントはランクの表記です!商品の詳細に記載があるのでぜひご覧ください。
■ ランクの規定について ■
ランクN:未使用品、または一度も使用されていない。
ランクS:数回程度使用されているものの、ほとんど未使用品と変わらない。
ランクA:小傷、擦り傷が見られるが、大きな欠点もなく、程度が良い。
ランクB:中小傷が見受けられるが、十分使用できる。
ランクC:傷が多く、大きな傷も数箇所見受けられるが、使用に問題はない。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ブラストチラー・ショックフリーザーは、パン屋で活用することで、パンの品質を維持し、業務効率を高めるために重要な設備です。
それと同時に、高価な機器のため、コストがかかってしまうというデメリットもあります。ご自身の理想のパン屋を続けるために、ピッタリの機器をお選びください。