香川県で飲食店を開業する際、自己資金だけでは十分な資金が確保できないケースは少なくありません。そのため、融資を受けることを検討される方も多いでしょう。しかし、融資を受けるためには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。
本記事では、香川県で飲食店を開業時に融資を受ける際のポイントを解説します。また、開業の流れも簡単に説明します。飲食店を開業する際に融資を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
香川の開業率は全国32位
2015年度の厚生労働省の調査によると、飲食店を含む香川の開業率は4.3%と全国で32位です。
また廃業率は3.2%となっています。
香川県の開業率は、全国平均を下回っており、開業率が低い傾向にあると言えます。その理由としては、以下のようなことが挙げられます。
・高齢化率が高く、人口減少が進んでいます。
・中小企業の割合が高く、新規事業への参入が難しいです。
・県庁所在地の高松市に人口が集中しており、その他の地域では開業が難しい。
しかし、香川県には、うどんやオリーブ牛などの豊かな食文化や、瀬戸内海に面した自然豊かな環境など、開業に有利な要素もあります。今後は、これらの要素を活かして、開業率の向上を目指していく必要があるでしょう。
まずは融資、補助金、助成金、それぞれの特徴を知りましょう!
融資、補助金、助成金は、いずれも事業資金を調達する手段として活用できますが、それぞれに特徴があります。
融資
融資は、金融機関から借り入れを行うことです。利子をつけて返済する必要があるため、返済計画をしっかりと立てることが大切です。融資のメリットとしては、資金調達が早いこと、事業の自由度が高いことなどが挙げられます。一方、デメリットとしては、利子がかかること、返済義務があることなどが挙げられます。
補助金
補助金は、国や地方公共団体などの公的機関から、事業の実施に必要な経費の一部を支給されるものです。返済の必要がないため、利子や返済の負担がありません。補助金のメリットとしては、資金調達が早いこと、利子や返済の負担がないことなどが挙げられます。
一方、デメリットとしては、申請に手間がかかること、採択率が低いことなどが挙げられます。
助成金
助成金は、補助金と似ていますが、補助金よりも受給要件が緩やかであるのが特徴です。補助金と同様、返済の必要がないため、利子や返済の負担がありません。助成金のメリットとしては、資金調達が早いこと、利子や返済の負担がないことなどが挙げられます。
一方、デメリットとしては、申請に手間がかかること、採択率が低いことなどが挙げられます。
それぞれの特徴をまとめると、以下のようになります。
資金調達の主体
融資:金融機関
補助金:国や地方公共団体など
助成金:国や地方公共団体など
返済の必要性
融資:必要
補助金:不要
助成金:不要
利子
融資:必要
補助金:不要
助成金:不要
申請の難易度
融資:やや高い
補助金:やや高い
助成金:比較的低い
資金の使い道
融資:自由
補助金:指定された用途に限る
助成金:指定された用途に限る
事業資金を調達する際には、それぞれの特徴を理解した上で、自社に最適な方法を選択することが大切です。
香川で利用可能な融資・補助金・助成金とは?
香川県では、中小企業や個人事業主の事業活動を支援するために、さまざまな融資・補助金・助成金制度を設けています。
融資
香川県では、中小企業や個人事業主が事業資金を借り入れるための融資制度を多数設けています。
香川県中小企業融資制度
県内の中小企業者等を対象に、低金利で融資を行う制度です。
香川県中小企業経営改善支援融資
県内の中小企業者等を対象に、経営改善のための事業資金を融資する制度です。
香川県女性起業支援融資
県内の女性起業家を対象に、創業・開業資金を融資する制度です。
香川県農林漁業経営改善支援融資
県内の農林漁業経営者を対象に、経営改善のための事業資金を融資する制度です。
補助金・助成金
香川県では、中小企業や個人事業主が事業活動を行う上で必要な経費を補助・助成するための制度を多数設けています。
香川県中小企業設備投資支援補助事業
県内の中小企業者を対象に、設備投資のための事業資金の利子を補助する制度です。
香川県中小企業人材育成支援補助事業
県内の中小企業者を対象に、人材育成のための経費を補助する制度です。
香川県女性起業支援補助事業
県内の女性起業家を対象に、創業・開業に必要な経費を補助する制度です。
香川県農林漁業経営改善支援補助事業
県内の農林漁業経営者を対象に、経営改善のための経費を補助する制度です。
これらの融資・補助金・助成金制度は、香川県の中小企業や個人事業主の事業活動を支援するために設けられているものです。利用を検討している方は、それぞれの制度の目的や対象、条件などをよく確認してから申請するようにしましょう。
融資・補助金・助成金の利用を検討する際のポイント
融資・補助金・助成金制度を利用する際には、以下のポイントを押さえておくとよいでしょう。
早めに情報収集する
融資・補助金・助成金制度は、時期や募集要件が異なる場合があります。早めに情報収集を行い、条件を満たす制度を探しておきましょう。
必要書類を準備する
融資・補助金・助成金の申請には、必要書類の提出が必要です。申請前に、必要な書類を準備しておきましょう。
審査に通過する対策をする
融資・補助金・助成金の審査では、事業計画や財務状況などが審査されます。審査に通過するためには、事業計画や財務状況をしっかり準備しておきましょう。
香川県で事業活動を行う中小企業や個人事業主の方は、ぜひこれらの融資・補助金・助成金制度を活用して、事業の成功を目指してみてはいかがでしょうか。
※こちらは2024年1月5日現在の情報です。最新の情報はこちらからご確認ください。
融資を受ける際に気を付けるべきポイントとは
香川県で融資を受ける際に気を付けるべきポイントは、大きく分けて以下の3つです。
・融資を受ける前に準備しておくべきこと
・融資を受ける際の審査のポイント
・融資を受ける際の注意点
融資を受ける前に準備しておくべきこと
融資を受ける前に、以下の点を準備しておきましょう。
事業計画書
事業計画書は、融資を受ける際に最も重要な書類です。事業の概要や目標、資金計画などを具体的に記載しましょう。
財務状況表
財務状況表は、事業の収益性や健全性などを示す書類です。決算書や帳簿などを基に作成しましょう。
担保
融資を受ける際には、担保の提供を求められる場合があります。土地や建物、有価証券など、価値のあるものを担保にできるとよいでしょう。
融資を受ける際の審査のポイント
融資を受けるためには、事業計画を作成する必要があります。事業計画は、融資を受ける金融機関や制度の担当者に、事業の将来性や収益性を示すための資料です。事業計画を作成する際には、以下の点に注意しましょう。
・事業の概要や目標を明確にする
・市場分析や競合分析を行う
・事業の収支計画を立てる
・資金計画を立てる
融資を受ける金融機関や制度を比較する
融資の審査では、以下のポイントがチェックされます。
事業計画の実現可能性
事業計画が実現可能かどうかを審査されます。事業の市場性や収益性、経営者の能力などを考慮して判断されます。
財務状況の健全性
事業の財務状況が健全かどうかを審査されます。収益性やキャッシュフロー、借入状況などを考慮して判断されます。
担保の担保力
担保の担保力が十分かどうかを審査されます。担保の価値や担保の処分可能性などを考慮して判断されます。
融資を受ける際の注意点
融資を受ける際には、以下の点に注意しましょう。
返済計画を立てておく
融資を受ける際には、返済計画を立てておくことが重要です。返済計画が無理なものだと、融資が受けられなくなる場合があります。
金利や返済条件をよく確認する
融資の金利や返済条件は、各金融機関によって異なります。金利や返済条件をよく確認して、自分に合った融資を選びましょう。
返済に遅れないようにする
融資の返済に遅れると、信用情報に傷がつき、今後の融資やクレジットカードの利用に影響する可能性があります。返済に遅れないように、スケジュールを立てて管理しましょう。
融資を受ける際には、これらのポイントを押さえておくことで、審査に通過しやすくなります。また、融資を受ける際には、担当者に相談して、自分に合った融資を選ぶことも大切です。
香川で開業する際の費用の相場とは?
香川県で飲食店を開業する際の費用の相場は、以下のとおりです。
開業資金:約1,000万円
物件取得費
物件取得費は、賃貸か購入かで大きく異なります。賃貸の場合は、敷金や礼金、保証金などの初期費用に加えて、家賃や共益費などの月々の費用がかかります。購入の場合は、頭金に加えて、ローンの返済や固定資産税などの費用がかかります。
内装・外装工事費
内装・外装工事費は、お店の雰囲気やコンセプトによって大きく異なります。
設備・備品費
設備・備品費は、料理や接客に必要な設備や備品を購入する費用です。
広告宣伝費
広告宣伝費は、お店の認知度を高めるために行う宣伝活動にかかる費用です。
開業準備費
開業準備費は、開業に必要な手続きや準備にかかる費用です。
運転資金:およそ500万円から1,000万円程度
運転資金は、開業後の日常的な運営に必要な資金です。
開業後3ヶ月から6ヶ月分の運転資金を準備しておくとよいでしょう。
これらの費用は、お店の規模や内容によって大きく異なります。具体的な費用については、専門家に相談することをおすすめします。
香川県で飲食店を開業する際には、融資や補助金・助成金制度を活用することで、開業資金の負担を軽減することができます。
香川で開業する際の資金調達の方法
自己資金
自己資金とは、自分の貯蓄や親族からの借入などのことです。自己資金を充実させることで、融資を受ける際にも有利になります。
融資
融資とは、金融機関からお金を借りることです。融資を受ける際には、事業計画書や財務状況表などの書類を提出する必要があります。
補助金・助成金
補助金・助成金とは、国や地方自治体から、事業を行うために必要な経費を補助・助成してもらうことです。補助金・助成金を受けるためには、申請書類を提出する必要があります。
香川県では、中小企業や個人事業主が事業活動を行うために必要な経費を補助・助成するための制度を多数設けています。
日本政策金融公庫を利用する
香川県では、日本政策金融公庫が、創業・開業資金の融資を行っています。日本政策金融公庫の融資は、無担保・無保証人で利用できる制度もあり、創業・開業時に利用しやすい融資制度として知られています。
新創業融資制度
創業・開業資金を無担保・無保証人で融資する制度です。
創業融資制度
創業・開業資金を担保・保証で融資する制度です。
経営革新支援融資制度
経営改善のための事業資金を融資する制度です。
女性起業支援融資制度
女性起業家を対象に、創業・開業資金を融資する制度です。
※こちらは2024年1月5日現在の内容です。最新の情報など詳しくは日本政策金融公庫の公式HPなどで確認してください。
香川県で飲食店を開業する際には、これらの資金調達の方法を検討しましょう。また、複数の資金調達方法を組み合わせることも検討するとよいでしょう。
香川で開業する際の実際の開業までの流れを解説
香川県で飲食店を開業する際の実際の開業までの流れは、以下のとおりです。
事業計画書を作成する
事業計画書とは、飲食店の経営計画を示す書類です。事業計画書には、以下の内容を盛り込みましょう。
店舗の概要
店舗の立地や規模、コンセプト、内装、設備などをまとめたものです。大まかにどのような店舗を想定しているのかまとめましょう。
メニューやコンセプト
競合店を分析したり独自の強みを打ち出したりすることで競争に勝てるよう考えましょう。
ターゲット顧客
ターゲット顧客を明確にすることで店舗の方向性や立地の条件なども明確になってきます。
売上計画、収支計画
収支計画を実現可能なものにすることで明確なビジョンを打ち出しましょう。売り上げの計画もしっかりとすることで事業の実現性を明確にします。
事業計画書は、金融機関から融資を受ける際にも必要となります。
物件の選定
次に、物件を探します。物件の立地や面積、賃料などを確認する必要があります。
物件を選ぶ際には、以下の点に注意しましょう。
立地
ターゲット顧客の居住エリア
競合店の立地
面積
席数
厨房の広さ
賃料
予算に合っていること
物件は、飲食店の経営に大きく影響する重要な要素です。そのため、慎重に選びましょう。
許認可の取得
飲食店を開業するには、さまざまな許認可が必要です。許認可の取得には、手数料や申請書類の作成費用などがかかります。
飲食店を開業するには、以下の許認可が必要です。
・飲食店営業許可
・食品衛生責任者の設置
・消防用設備等の設置
・食品衛生法に基づく届出
・食品表示法に基づく届出
許認可の取得には、手数料や申請書類の作成費用などがかかります。そのため、事前によく確認しておきましょう。
内装・外装工事
飲食店の雰囲気やコンセプトに合わせて、内装・外装工事を行います。
内装・外装工事は、飲食店の雰囲気やコンセプトを表現する重要な要素です。
そのため、しっかりとイメージを固めてから、業者に依頼しましょう。
設備・備品の購入
調理器具やテーブル・椅子などの設備・備品を購入します。
調理器具やテーブル・椅子などの設備・備品は、飲食店の運営に欠かせません。そのため、必要量や性能などをよく検討して購入しましょう。
人材の確保
スタッフの採用や教育を行います。
スタッフの採用や教育は、飲食店の運営を成功させるために重要なポイントです。そのため、しっかりと採用計画を立てて、人材を確保しましょう。
開業準備
メニューや価格表の作成、販促活動の準備などを行い、開業に向けて準備を進めます。メニューや価格は競合店をしっかりリサーチして決めましょう。販促活動はSNSの利用やチラシなど多方面にアプローチしましょう。
開業
いよいよ開業です。準備してきたことを実践して、お客様に喜んでもらえる飲食店を目指しましょう。開業はゴールではありません。お客様の声に耳を傾けたり、オペレーションの見直しを行ったり常にブラッシュアップしていきましょう。
香川県で飲食店を開業する際には、これらのステップをしっかりと踏んで、準備を進めましょう。また、開業後も、お客様のニーズを把握して、常に改善を続けていくことが大切です。
香川で飲食店を開業するメリットデメリット
メリット
香川で飲食店を開業するメリットは、以下の5つが挙げられます。
豊かな食文化
うどんやオリーブ牛などの豊かな食文化が魅力の県です。これらの食文化を活かしたお店づくりができるため、差別化が図りやすいというメリットがあります。
観光客の多さ
瀬戸内海に面しており、観光客も多く訪れます。
地元の食材の豊富さ
瀬戸内海で獲れた新鮮な魚介類や、讃岐牛などのブランド牛など、地元の食材が豊富です。
起業支援制度の充実
飲食店の開業支援制度が充実しています。例えば、開業資金の貸付や、経営相談のサポートなどがあります。
人材の確保がしやすい
若い世代の人口が多く、人材の確保がしやすいというメリットがあります。また、県内には調理師学校や専門学校も多く、人材の育成環境も整っています。
デメリット
滋賀で飲食店を開業するデメリットは、以下の5つです。
競争の激しさ
うどんやオリーブ牛などの豊かな食文化を活かした飲食店が多いため、競争が激しいと言えます。
人口減少
高齢化率が高く、人口減少が進んでいます。そのため、将来的な顧客の減少が懸念されます。
天候の影響
瀬戸内海に面しているため、台風や豪雨などの天候の影響を受けやすいです。そのため、天候対策をしっかりとしておくことが重要です。
交通の便
県庁所在地の高松市を除くと、交通の便が悪い地域もあります。そのため、立地場所によっては、集客が難しい可能性があります。
原材料費の高騰
原油価格や原材料の価格が高騰していることから、食材費が高騰しています。そのため、コスト管理をしっかりと行うことが重要です。
香川で開業する際の開業資金を抑えるコツとは
香川で飲食店を開業する際の開業資金を抑えるコツは、以下のとおりです。
事業計画をしっかり立てる
事業計画をしっかり立てることで、必要な資金や設備・備品などを把握することができます。また、融資を受ける際にも、事業計画が重要となるため、しっかりと作成しましょう。
物件の立地や規模を検討する
物件の立地や規模によって、賃料や内装・外装工事費などが大きく異なります。立地や規模を検討して、無理のない予算で物件を借りましょう。
補助金や助成金を利用する
国や地方自治体では、飲食店の開業や経営を支援するための補助金や助成金制度を設けています。これらの制度を活用することで、開業資金を抑えることができます。
中古やDIYを利用する
中古の設備や備品を利用したり、DIYで内装・外装工事をしたりすることで、費用を抑えることができます。ただし、中古品やDIYでは、品質や耐久性に注意が必要です。
中古の設備や備品
調理器具やテーブル・椅子、厨房機器など、中古の設備や備品を利用するのも一つの方法です。中古品は、新品に比べて価格が安く、品質も十分なものが揃っています。ただし、中古品を購入する際には、しっかりとメンテナンスされているかどうかを確認しましょう。
テンポスでは多くの中古商品を取り揃えております。
DIY
内装・外装工事をDIYで行うことで、費用を抑えることができます。ただし、DIYでは、技術や経験が必要なため、事前にしっかりと準備しておきましょう。
香川県で飲食店を開業する際には、これらのコツを参考にして、開業資金を抑えるようにしましょう。
まとめ
香川県で飲食店を開業する際には、自己資金だけでは資金が不足する可能性があるため、融資の利用を検討しましょう。融資を受ける際には、事業計画書の作成や担保・保証の準備など、事前の準備が大切です。また、開業までの流れを把握しておくことで、スムーズに開業することができます。
開業に際してご相談、ご質問お気軽にお待ちしております。