【ラーメン店・東京スタイルみそらーめん ど・みそ】先代との二人三脚から、少ない社員達とマンパワーでつらい時期を乗り越えながらつかんだ成功秘話とは?

出店・開業

東京メトロ銀座線京橋駅より徒歩2分、比較的小さめな店内はカウンター11席と、行列必至の人気店です。
2006年3月15日のオープン後、食べログ★3.55、ラーメンデータベース89.680ポイントを獲得し、ラーメンデータベース2009年年間ランキング味噌部門6位受賞を果たし(2024年1月22日現在)人気ラーメン店となりました。

そんな『東京スタイルみそらーめん ど・みそ』さんの開業までの経緯や苦労したことや失敗したことなど、そして成功に至るまでの秘話をお聞きしました。

開業までの経緯

先代:齋藤 賢治さん

2020年に他界された先代の齋藤さんは、元々山一證券で働いていました。
山一証券が廃業した後、子会社で仕事していたのですが、その後ラーメンをやろうと修行して開業に至りました。
その後、後の二代目となる宮本 堅太さんが2018年8月入社。

以下、宮本さんへのインタビューです。

二代目:宮本 堅太さん

元々2006年当時は、セコムで現金輸送の仕事をしていました。
その頃、店舗のあった界隈(かいわい)を回っていたんです。そんな時、銀座の近くに「味噌ラーメン専門店」が出来ると聞きました。

年間500杯くらい食べていた程の「ラーメン好き」だったので、当時はネットなどあまりなかったので、ひとづての情報だけを聞いて行ってみたんです。

でも、行ってみたところ、修行先と聞いたお店とほぼ同じ味のラーメンだったんですよ。「だったら本店食べに行った方がいいよね」(苦笑)くらいの感覚でしたね。あまり自分には刺さらなかったんです。

そこからずっと行っていなかったんですけど、2007年くらいから「ラーメン本」などが流行りだしたんです。そこに「ど・みそ」が取り上げられていたんですよね。

「そんな店だったかな?」と思いながらも半信半疑で、また食べに行ってみたんですよね。すると全く違う味の店になっていたんです。そこから週一で通うようになりました。

セコムの制服を着て行っていたので、いつの間にか先代や店員さんに顔を覚えてもらって、そこから1年以上通い続けました。

その頃、仕事が安定はしていても「つまらないな」と思い始めたところで、「ラーメン屋やりたいな」と言っていたら、「うちに来なよ」と言ってもらったんです。「まあ、その時はお互い冗談のつもりだったのですが。」と宮本さんは笑います。

仕事を辞め、「ど・みそ」へ

その後、仕事のミスなどが続いてしまって、「これはもう続けられないな」となって仕事を辞めてしまったんです。そこで「ど・みそ」に行って「辞めてきたので雇ってください」と伝えました。

その時は先代がランチ中だったので「また3時くらいに来て」と言われて改めて話し合いをさせてもらって、「じゃあここで働きなよ」って言ってもらったんです。

ちょうどその頃に、「ど・みそ」では、社員を雇ったばっかりだと知らずにいったんですけれども、四人目の社員として迎えてもらいました。
ですが2009年頃に、自分の前に入っていた2人が辞めてしまい、先代と二人きりになってしまったんです。年中無休でやってたのに二人きりとなり、「どうしようか?」となっていた時に、先代に「時間は変えたくない」と申し出たんです。

自分が食べる側だった頃の気持ちで考えると、「やっぱりいつでも食べられる」っていうのはありがたかったし、その頃はネットも少しずつ普及してきていて口コミなんかもあるので、「営業時間を変えるとお客案が戸惑ってしまうんじゃないか。」という思いもありました。

最初のうちは先代と二人でなんとかやっていたんですけど、いくらなんでも二人じゃやっぱり厳しかったですね。そこで社員募集をしたら意外と人が集まった。そこで店舗展開をしたんです。

一番人気メニュー:特みそこってりらーめん1,200円(税込)

おススメ:みそオロチョンらーめん1,100円(税込)

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苦労したこと、失敗したこと、それらを乗り越えたエピソード

初経験の飲食店

飲食店での仕事は初めて(当時30代)だったので、本当に苦労しました。

仕事に関しては色々していたのですが、肉体労働系が多く、飲食店は未知の分野でした。まず、スピードについていけませんでした。正直、出来ないのが辛くて悔しかったです。それに、水仕事で手荒れがすごかったんですよね。指という指が切れて大変でした。

セコムに入社した時、親が喜んでいたにもかかわらず、そこを辞めちゃったもんだから、「ラーメン屋をやりたい」と言ったらびっくりされたんですけど、でも「やりたいものやれば」と親も言ってくれていたので、辞めるわけにもいかなかったんですよね。

頑張って続けて、一年たったら手荒れもしなくなりましたね(笑)。二人体制で労働時間も長かったですが、それはそれで楽しく、平気で働けました。

厳しい店舗展開

店舗展開をしていく過程で「大変だな」というのがありました。
当時本店が、9席で月商700万前後だったんですよね。だから、店舗展開しても当然「売れるもんだ」と思って、2店舗目を出店したら、全然売れなかったんです。
ちょっと考え方が甘くて、思っていたのと全然違うと感じ、いちばん大変だったのはこのことですね。

席数は倍以上あったのに、売上は半分くらいになってしまいました。2号店は投資家の方がお金を出してくれるというので「げんまん」という店を人形町でやっていました。「ど・みそ」監修という感じでラーメン屋をやったんですけど、そんなに甘くはなかったですね。

結局は社員に譲ってしまいました。その後八丁堀に直営の2号店を出店しました。そこでは比較的売れるようになりました。今思うと、「げんまん」はいい勉強になったと思います。

今はこういうことをやるのは難しいけれど、社員が朝から晩まで働いてなんとか売上を保っていましたね。正直、マンパワー全開で乗り越えた感じです。スタッフの力がなかったらうまくいかなかったですね。

京橋本店に続き、町田での出店は、商業施設ではありましたが小規模だったので、そこまではなんとかなっていたのですが、その次の「ららぽーと豊洲」での大型商業施設内のオープン時は、売上がすごかったですね。その分すごく人が来るのでとにかくマンパワーで乗り切りました。

「あの時が一番きつかった」と今でも語り草になっています。

カウンター11席のおしゃれな店内

開業してみてはじめてわかったこと

ラーメン店というのは、「比較的お金をかけずに開店しやすい」というところがあるとは思うんですけど、簡単だからと安易に開店してしまうのはあまりお勧めできませんね。
今はもう開業直後から美味しいラーメン屋も多いですし、競合も多く全く売れない場合もある。

でも、ラーメンが好きなら「好きだ」という気持ちで頑張ってやれると思います。
『スタッフには「独立したかったらいつでも言ってくれ」と言っているんですよ。』と宮本さんはさわやかに語ってくれました。

先代の味を守り続けます

テンポスとのかかわり

色々なものがあるので驚きました

実は、店舗で購入したことがないんですが、行ったことはあるので、品揃えがすごいことにびっくりしました。
自分の店では、先代の時から、カタログを見て商品を発注し揃えていたんですよね。

当時は、テンポスを知るきっかけがなかったので、かっぱ橋を利用していました。
でも、冷凍ストッカーはテンポスのネットで買いました!すごく安くていいですね!

カタログで買い物をすると、実物を見ない状態での買い物になるので「思ってたのと違う」ってことが起きるので見て買う方がいいかもしれませんね。

今後の展望・開業する方へのメッセージ

ラーメン業界は楽しい

色々物価も高くなって、全ての飲食店は基本的に単価が低いと思うので、大変だとは思いますが「とにかく楽しい」ので。
深く考えず「とりあえず飲食店」という状態での開業だと大変な思いをするかと思いますが、とにかくラーメンが好きなので「好き」を仕事にできるというような動機付けがあれば何とか乗り越えられます。

あと、「人の雇用」という点はとても大変だと思います。人を募集してもなかなか来ないし、修行したいと来る人も最近はなかなかいないだろうし。仲間同士で開業したとしても、売れなかった時に二人分の家族を守らなければいけないという事態になる。

それでも、「好きな気持ち」や、「これがやりたいんだ」という想いがあれば、ハードルは高いけれどもとにかく「楽しいですよ」と言いたいです。

両親からは「好きなことを仕事にできるってすごいね。」と言われます。『実家に帰ってもラーメンを食べに行ってるので「本当に好きなのね」と笑われています。』と笑う宮本さん。

リスク回避を考えて

先代が亡くなったとき、本当に悲しくてずっと泣いていたんです。でも「そんなんじゃだめだ」と思い直して。
近しい人以外には、「ど・みそ」はつぶれるんじゃないか?と思われていたそうです。

でも僕は、すべてのことをやらせてもらっていたから、何とか引き継ぐことができました。だから二代目として引き継ぐことが出来たんですけど。

「何かあったときに任せられる人」がいないと、全員で共倒れになってしまって、積み上げてきたものが継承できずに終わってしまう。
『「リスク回避のための準備」というのは日ごろから行っていた方がいいですよ。』と宮本さんは力強く語ってくれました。

まとめ

「二代目」として「ど・みそ」の看板を背負った宮本さん。先代と共に歩んできた道、そして辛い時代を乗り越えたスタッフさんと共に、今も「楽しく」「ど・みそ」を守っています。

『「ラーメンが好きだ」という気持ちとスタッフのマンパワーでどんなに辛くてもやってこられた。』と語る宮本さんからは、ラーメンへの愛と「ど・みそ」への愛を感じることが出来ました。

「カタログで調理器具を揃えている」とお話しくださった宮本さんですが、「ちゃんと実物を見たほうがいい」ともお話しされていて、これから厨房用品を揃える皆さんにはいいお手本となりそうですね。

「とにかく楽しい」と「ラーメンが好き」の気持ちでこれからも頑張る宮本さんを応援したいと思います。

テンポスドットコムでは、様々な視点からラーメン店の開業成功を全力で応援します。
自分のお店の業態に合わせて必要なものは何があるのか、詳細を確認することができますので是非ご覧ください!

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#取材協力
店名:東京スタイルみそらーめん ど・みそ
店主:宮本 堅太氏
住所:東京都中央区京橋3-4-3 千成ビル1F
TEL:050-5456-5564(予約不可)

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