大分県で飲食店を開業する際には、開業資金が必要になります。開業資金は、店舗の改装費や備品費、食材の仕入れ費など、多岐にわたります。そのため、融資を受けることを検討する方が少なくありません。
しかし、融資を受けるためには、審査に通る必要があります。審査に通るためには、しっかりとした計画と準備が必要です。
そこで、本記事では、大分県で飲食店を開業時に融資を受ける際のポイントを解説します。また、開業の流れも含めて解説しますので、参考にしてみてください。
目次
大分県の開業率は全国23位
2015年度の厚生労働省の調査によると、飲食店を含む大分県の開業率は4.6%と全国で23位です。
また廃業率は4.0%となっています。
大分県は4.6%とやや低い水準です。これは、大分県の主な産業が鉄鋼業や化学工業など重化学工業であるため、新規事業の立ち上げが難しいことが一因と考えられます。
また、大分県は人口減少が進んでおり、今後も開業率が低下していく可能性があります。
まずは融資、補助金、助成金、それぞれの特徴を知りましょう!
融資、補助金、助成金は、いずれも事業資金を調達する手段として活用できますが、それぞれに特徴があります。
融資
融資は、金融機関から借り入れを行うことです。利子をつけて返済する必要があるため、返済計画をしっかりと立てることが大切です。融資のメリットとしては、資金調達が早いこと、事業の自由度が高いことなどが挙げられます。一方、デメリットとしては、利子がかかること、返済義務があることなどが挙げられます。
補助金
補助金は、国や地方公共団体などの公的機関から、事業の実施に必要な経費の一部を支給されるものです。返済の必要がないため、利子や返済の負担がありません。補助金のメリットとしては、資金調達が早いこと、利子や返済の負担がないことなどが挙げられます。
一方、デメリットとしては、申請に手間がかかること、採択率が低いことなどが挙げられます。
助成金
助成金は、補助金と似ていますが、補助金よりも受給要件が緩やかであるのが特徴です。補助金と同様、返済の必要がないため、利子や返済の負担がありません。助成金のメリットとしては、資金調達が早いこと、利子や返済の負担がないことなどが挙げられます。
一方、デメリットとしては、申請に手間がかかること、採択率が低いことなどが挙げられます。
それぞれの特徴をまとめると、以下のようになります。
資金調達の主体
融資:金融機関
補助金:国や地方公共団体など
助成金:国や地方公共団体など
返済の必要性
融資:必要
補助金:不要
助成金:不要
利子
融資:必要
補助金:不要
助成金:不要
申請の難易度
融資:やや高い
補助金:やや高い
助成金:比較的低い
資金の使い道
融資:自由
補助金:指定された用途に限る
助成金:指定された用途に限る
事業資金を調達する際には、それぞれの特徴を理解した上で、自社に最適な方法を選択することが大切です。
大分県で利用可能な融資・補助金・助成金とは?
大分県では、中小企業の創業や経営の安定を支援するため、融資・補助金・助成金などの支援制度を整備しています。
融資
大分県では、中小企業信用保証協会や金融機関が、中小企業向けの融資制度を実施しています。
中小企業信用保証協会は、中小企業の融資を保証する機関です。中小企業信用保証協会の保証を利用することで、金融機関から融資を受けやすくなるというメリットがあります。
金融機関の融資制度としては、以下のようなものが挙げられます。
創業融資制度
創業資金の融資制度
経営改善融資制度
経営の改善・強化に必要な資金の融資制度
設備投資融資制度
設備投資に必要な資金の融資制度
補助金・助成金
大分県では、中小企業の創業や経営の安定を支援するため、以下の補助金・助成金制度を実施しています。
創業支援補助金
創業準備や創業後の経営支援に必要な経費の補助
経営改善支援補助金
経営の改善・強化に必要な経費の補助
大分県では、雇用促進助成金や環境保全助成金など、さまざまな助成金制度を用意しています。
設備投資支援補助金
設備投資に必要な経費の補助
販路拡大支援補助金
販路拡大に必要な経費の補助
人材育成支援補助金
人材育成に必要な経費の補助
融資・補助金・助成金の利用方法
融資・補助金・助成金の利用を検討する場合は、まずは各制度の条件や手続きなどをよく確認しましょう。
融資の場合は、金融機関に相談して、審査を受けます。
補助金・助成金の場合は、各制度の申請要件を満たしているか確認し、申請書類を作成して、県の担当部署に提出します。
融資・補助金・助成金を活用することで、創業や経営の安定を図ることができます。ぜひ、ご活用ください。
※こちらは2023年11月20日現在の情報です。最新の情報はこちらからご確認ください。
融資・補助金・助成金の利用を検討する際には、以下の点に注意しましょう。
・融資の場合は、返済能力があることを証明できる必要があります。
・補助金・助成金の場合は、申請要件を満たしていることが重要です。
・融資・補助金・助成金の利用は、あくまでも経営の補助であり、すべてを賄えるものではありません。
融資・補助金・助成金を活用して、事業を成功させましょう。
融資を受ける際に気を付けるべきポイントとは
大分県で融資を受ける際に気を付けるべきポイントは、以下のとおりです。
しっかりとした計画を作成する
融資を受けるためには、しっかりとした計画を作成することが重要です。計画には、事業内容や収支計画、資金計画などを記載します。
事業内容では、事業の目的やターゲット、競合分析などを記載します。収支計画では、売上や原価、経費などを予測して、利益を出すための計画を記載します。資金計画では、開業資金や運転資金など、必要な資金とその調達方法を記載します。
計画がしっかりと作成されていないと、審査に通る可能性が低くなります。
事業計画書を作成する
事業計画書は、融資を受ける際に必須の書類です。事業計画書には、計画の実現可能性や収益性などを記載します。
事業計画書は、融資を受ける金融機関の担当者に、自分の事業の魅力や将来性を伝えるための資料です。事業計画書は、客観的なデータや根拠を基に作成するようにしましょう。
信用情報を確認する
信用情報は、金融機関やクレジットカード会社などに登録されている情報です。信用情報が悪いと、融資の審査に通る可能性が低くなります。
信用情報は、信用情報機関から開示してもらえます。信用情報が悪い場合は、まずは信用情報を改善してから、融資の申し込みをするようにしましょう。
担保や保証人を確保する
担保や保証人を確保することで、融資のリスクを軽減することができます。担保は、融資の返済が滞った場合に、金融機関が差し押さえて売却するものです。保証人は、融資の返済が滞った場合に、代わりに返済する責任を負います。
担保や保証人を確保しておくことで、融資の審査に通る可能性が高くなります。
融資の条件をよく確認する
融資を受ける際には、融資の条件をよく確認しましょう。融資の条件には、金利や返済期間、返済方法などがあります。
融資の条件は、金融機関によって異なります。複数の金融機関から見積もりを取るなどして、自分に合った条件の融資を選びましょう。
大分県で融資を受ける際には、上記のポイントを参考にして、しっかりと準備をしておきましょう。
大分県で開業する際の費用の相場とは?
大分県で飲食店を開業する際の費用の相場は、1000万円程度です。ただし、店舗の規模や立地などによって、必要な費用は大きく異なります。
物件取得費:300~500万円
物件取得費は、物件の取得方法によって大きく異なります。物件を購入し、賃貸借契約を結ばない場合は、物件の購入費用のほか、登記費用や固定資産税などの費用がかかります。物件を賃貸する場合は、物件の賃料のほか、保証金や礼金などの費用がかかります。
店舗の改装費:200~300万円
店舗の改装費は、店舗の規模や立地によって大きく異なります。立地が良い場所や、広い店舗を改装する場合は、高額な費用がかかります。
備品費:100~200万円
備品費は、厨房機器やテーブル、椅子などの費用です。店舗の規模や内装によって、必要な備品は異なります。
食材の仕入れ費:100~200万円
食材の仕入れ費は、開業後の1~2か月の食材の仕入れ費用です。開業当初は、売上が安定していないため、ある程度の食材を仕入れておく必要があります。
運転資金:400~600万円
運転資金は、開業後の人件費や光熱費、広告費などの費用です。開業後の売上から、これらの費用をまかなう必要があります。
合計1,000万円〜1,500万円程度
なお、飲食店の規模や業態によって、費用は大きく異なります。たとえば、小規模のカフェであれば、費用を抑えることができます。一方、大規模なレストランや居酒屋であれば、費用が高くなります。
また、物件の立地によっても、費用は異なります。繁華街や駅前などの立地条件の良い場所は、費用が高くなります。
大分県で飲食店を開業する際には、これらの費用をしっかりと把握しておくことが大切です。
大分県で開業する際の資金調達の方法
大分県で飲食店を開業する際の資金調達の方法は、大きく分けて以下の3つがあります。
自己資金
自己資金とは、自分の貯蓄や借入金など、自分で用意した資金のことです。自己資金を多く用意しておくことで、融資を受けやすくなります。
融資
融資とは、金融機関からお金を借りることです。融資を受けるためには、審査に通る必要があります。審査では、事業計画書や信用情報などが評価されます。
補助金・助成金
補助金・助成金とは、国や地方自治体からお金をもらうことです。補助金・助成金を受けるためには、申請書類を提出して、審査に通る必要があります。
日本政策金融公庫を利用する
日本政策金融公庫は、中小企業や小規模事業者を支援するために、融資や保証、コンサルティングなどを行っている機関です。日本政策金融公庫は、国が100%出資する特殊法人です。
日本政策金融公庫では、飲食店の開業支援として、以下の融資制度を提供しています。
創業融資制度
創業資金の融資制度
小規模事業者等経営強化融資制度
経営の改善・強化に必要な資金の融資制度
設備資金貸付制度
設備投資に必要な資金の融資制度
日本政策金融公庫の融資制度は、無担保・無保証で利用できる点が特徴です。また、金利も比較的低めに設定されています。
※こちらは2023年11月20日現在の内容です。最新の情報など詳しくは日本政策金融公庫の公式HPなどで確認してください。
日本政策金融公庫の融資は、信用情報や自己資金の状況などから、審査が行われます。審査に通るためには、以下のポイントを押さえましょう。
・しっかりとした事業計画書を作成する
・信用情報を良好に保つ
・自己資金をある程度用意する
大分県では、日本政策金融公庫のほかにも、以下の機関が融資や補助金・助成金などの支援を行っています。
・大分県信用保証協会
・大分県中小企業振興公社
・大分県商工会議所
・大分県商工会
大分県で飲食店を開業する際は、これらの機関の支援制度を活用することも検討しましょう。
大分県で開業する際の実際の開業までの流れを解説
大分県で飲食店を開業する際の実際の開業までの流れは、以下のとおりです。
事業計画書を作成する
事業計画書とは、飲食店の経営計画を示す書類です。事業計画書には、以下の内容を盛り込みましょう。
店舗の概要
店舗の立地や規模、コンセプト、内装、設備などをまとめたものです。大まかにどのような店舗を想定しているのかまとめましょう。
メニューやコンセプト
競合店を分析したり独自の強みを打ち出したりすることで競争に勝てるよう考えましょう。
ターゲット顧客
ターゲット顧客を明確にすることで店舗の方向性や立地の条件なども明確になってきます。
売上計画、収支計画
収支計画を実現可能なものにすることで明確なビジョンを打ち出しましょう。売り上げの計画もしっかりとすることで事業の実現性を明確にします。
事業計画書は、金融機関から融資を受ける際にも必要となります。
物件を探す
次に、物件を探しましょう。物件を探す際は、立地や賃料、設備などを考慮して、最適な物件を選びましょう。
立地は、客層やターゲットに合わせた場所を選びましょう。賃料は、経営を圧迫しない程度の金額を設定しましょう。設備は、自分のお店の雰囲気やコンセプトに合わせて選びましょう。
店舗を改装する
物件が決まったら、店舗を改装しましょう。店舗を改装する際は、内装や厨房機器などを、自分のお店の雰囲気やコンセプトに合わせて決めましょう。
内装は、客層やターゲットに合わせた雰囲気にしましょう。厨房機器は、自分のお店で提供したい料理に合ったものを選びましょう。
飲食店営業許可を取得する
飲食店営業許可は、飲食店を営業するために必要な許可です。飲食店営業許可を取得するためには、保健所への申請が必要です。
申請書類には、施設図面や設備台帳、衛生管理計画書などを添付する必要があります。
開業準備をする
飲食店営業許可を取得したら、開業準備をしましょう。開業準備としては、メニューや販促計画などを作成しましょう。メニューは、自分のお店の強みやターゲットに合わせて作成しましょう。
販促計画は、ターゲットに効果的な方法で宣伝しましょう。
厨房機器の導入
厨房機器を導入します。厨房機器には、調理器具や冷蔵庫、冷凍庫、調理台などが含まれます。
厨房機器は、必要な機能を備えたものを選びましょう。
食材の準備
食材を準備します。食材の種類や量は、メニューによって異なります。
食材は、新鮮で安全なものを仕入れるよう心がけましょう。
開業する
準備が整ったら、開業しましょう。開業当初は、売上が安定していないため、ある程度の資金を準備しておきましょう。
また、開業後の経営を成功させるために、しっかりとした運営を心がけましょう。
大分県で飲食店を開業する際は、上記の流れを参考にして、しっかりと準備をしておきましょう。
大分県で飲食店を開業するメリットデメリット
メリット
豊かな自然と温暖な気候に恵まれている
海の幸や豊後牛、豊後米など、おいしい食材が豊富に揃っています。それらを活かした郷土料理や創作料理を提供することで、競合他社との差別化を図ることができます。
温泉地や観光地が多い
別府温泉や由布院温泉など、全国的に有名な温泉地が数多くあります。また、豊後高田市や国東市など、歴史や文化を感じる観光地も人気です。
開業コストが比較的抑えられる
首都圏や近畿圏などの大都市圏に比べて、物価や賃貸料が比較的抑えられています。そのため、開業の際にかかるコストを抑えることができます。
政府や自治体の補助金や助成金が活用できる
政府や自治体では、飲食店の開業や経営を支援するための補助金や助成金を提供しています。これらの補助金や助成金を活用することで、開業資金の負担を軽減することができます。
地域活性化に貢献できる
大分県の食材や観光資源を活かした飲食店を経営することで、地域活性化に貢献することができます。また、地元の食材や観光資源をPRすることで、地域の魅力を高めることにもつながります。
デメリット
人口減少や少子高齢化が進んでいる
人口減少や少子高齢化が進んでおり、今後も人口減少が続くと予想されています。飲食店の経営環境は厳しくなることが予想されます。
競合店が多い
豊かな自然や温暖な気候に恵まれた、飲食店の開業に適した地域です。そのため、競合店も多いのが現状です。
人材不足
先程も記述したように大分県は人口減少が進んでいる地域です。よって人材の確保が難しい可能性があります。
季節性の変化
温暖な気候ではありますが、季節によって観光客の数が大きく変動します。
地域性への理解が必要
温泉地や観光地など、地域によって特色が異なります。地元の方々や地域との繋がりを大切にし、地域性への理解を深めることが重要です。
大分県で開業する際の開業資金を抑えるコツとは
大分県で飲食店を開業する際の開業資金を抑えるコツは、以下のとおりです。
物件の賃料を抑える
物件の賃料は、開業資金の大きな割合を占めるため、抑えておくと効果的です。
物件の賃料を抑えるためには、立地や設備などを考慮して、最適な物件を選ぶことが重要です。
郊外の立地を選ぶのも選択肢の一つです。
立地
客層やターゲットに合わせた場所を選ぶことで、賃料を抑えることができます。
設備
必要最低限の設備を揃えることで、賃料を抑えることができます。
内装をシンプルにする
内装は、開業資金の大きな割合を占めるため、抑えておくと効果的です。
内装をシンプルにするためには、デザインや素材などを工夫しましょう。
デザインは、シンプルなデザインを選ぶことで、費用を抑えることができます。
シンプルな白を基調としたデザインにするのもいいでしょう。
素材は、安価な素材を選ぶことで、費用を抑えることができます。
厨房機器を中古で購入する
厨房機器は、開業資金の大きな割合を占めるため、抑えておくと効果的です。
厨房機器を中古で購入する際には、以下の点に注意しましょう。
・状態をよく確認する
・保証やアフターフォローがあるかどうかを確認する
厨房機器を中古で購入するために、厨房機器専門の業者に相談しましょう。
テンポスでは多くの中古商品を取り揃えております。
DIYで内装や備品を作成する
内装や備品をDIYで作成することで、費用を抑えることができます。
DIYで内装や備品を作成するために、DIY教室に通うのもいいかもしれません。
DIYで作成する際には、以下の点に注意しましょう。
・自分のスキルや経験を確認する
・安全に作業を行う
開業資金を抑えるためには、さまざまな方法を検討して、自分に合った方法を見つけることが重要です。
まとめ
大分県で飲食店を開業する際は、開業資金を調達するための融資の活用を検討しましょう。ただし、融資を受けるためには、しっかりとした事業計画書を作成して、信用情報を良好に保つことが重要です。また、開業までの流れをしっかりと把握して、準備を進めましょう。
開業に際してご相談、ご質問お気軽にお待ちしております。