さいたまで飲食店を開業する際、融資を受けると初期費用の負担が軽減されます。しかし、融資を受けるためには審査を通過しなければなりません。そこで、本記事では、さいたまで飲食店を開業時に融資を受ける際のポイントを、開業の流れも含めて解説します。
目次
さいたまの開業率は全国2位
2015年度の厚生労働省の調査によると、飲食店を含むさいたまの開業率は6.8%と全国で2位です。
また廃業率は3.5%と、全国平均の3.8%と比較すると低い傾向を示しています。
高い開業率を示す背景として、参入しやすい業種で起業・開業する事例が多いことが考えられています。
まずは融資、補助金、助成金、それぞれの特徴を知りましょう!
融資、補助金、助成金は、いずれも事業資金を調達する手段として活用できますが、それぞれに特徴があります。
融資
融資は、金融機関から借り入れを行うことです。利子をつけて返済する必要があるため、返済計画をしっかりと立てることが大切です。融資のメリットとしては、資金調達が早いこと、事業の自由度が高いことなどが挙げられます。一方、デメリットとしては、利子がかかること、返済義務があることなどが挙げられます。
補助金
補助金は、国や地方公共団体などの公的機関から、事業の実施に必要な経費の一部を支給されるものです。返済の必要がないため、利子や返済の負担がありません。補助金のメリットとしては、資金調達が早いこと、利子や返済の負担がないことなどが挙げられます。一方、デメリットとしては、申請に手間がかかること、採択率が低いことなどが挙げられます。
助成金
助成金は、補助金と似ていますが、補助金よりも受給要件が緩やかであるのが特徴です。補助金と同様、返済の必要がないため、利子や返済の負担がありません。助成金のメリットとしては、資金調達が早いこと、利子や返済の負担がないことなどが挙げられます。一方、デメリットとしては、申請に手間がかかること、採択率が低いことなどが挙げられます。
それぞれの特徴をまとめると、以下のようになります。
資金調達の主体
融資:金融機関
補助金:国や地方公共団体など
助成金:国や地方公共団体など
返済の必要性
融資:必要
補助金:不要
助成金:不要
利子
融資:必要
補助金:不要
助成金:不要
申請の難易度
融資:やや高い
補助金:やや高い
助成金:比較的低い
資金の使い道
融資:自由
補助金:指定された用途に限る
助成金:指定された用途に限る
事業資金を調達する際には、それぞれの特徴を理解した上で、自社に最適な方法を選択することが大切です。
さいたまで利用可能な融資・補助金・助成金とは?
埼玉県では、中小企業・小規模事業者の経営支援を目的として、融資・補助金・助成金などの支援制度を整備しています。
融資制度
埼玉県の融資制度は、埼玉県信用保証協会が保証を付与することで、金融機関から融資を受けやすくする制度です。
主な融資制度は、以下のとおりです。
・埼玉県中小企業等経営安定資金
・埼玉県中小企業等経営強化資金
・埼玉県中小企業等事業承継資金
これらの融資制度は、いずれも無担保・無保証で融資を受けられるため、事業資金の調達に有効です。
補助金・助成金制度
埼玉県の補助金・助成金制度は、中小企業・小規模事業者の経営改善や新事業展開を支援する制度です。
主な補助金・助成金制度は、以下のとおりです。
・埼玉県中小企業等生産性向上支援補助金
・埼玉県中小企業等経営革新支援補助金
・埼玉県中小企業等新事業展開支援補助金
これらの補助金・助成金制度は、事業計画書の作成や専門家によるコンサルティングなどの支援を受けながら、事業を実施することができます。
融資・補助金・助成金の利用方法
融資・補助金・助成金の利用を希望する場合は、まず、埼玉県のホームページや各金融機関のホームページで、利用条件や申請方法を確認してください。
融資制度を利用する場合、まずは、埼玉県信用保証協会に保証申込を行います。保証申込が承認されたら、金融機関に融資の申し込みを行います。
補助金・助成金制度を利用する場合、まずは、埼玉県のホームページから申請書をダウンロードし、必要事項を記入して提出します。提出された申請書は、埼玉県の審査を受けます。審査に合格した事業者には、補助金・助成金が交付されます。
融資・補助金・助成金は、事業を成功させるための重要な資金源です。ぜひ、これらの制度を活用して、事業の成功を目指してください。
以下に、埼玉県の融資・補助金・助成金の利用を検討する際のポイントをまとめます。
融資・補助金・助成金の利用を検討する際のポイント
・自社の事業内容や経営状況に合った制度を選ぶ
・利用条件を満たしているか確認する
・申請書類を漏れなく提出する
・審査に合格するための準備をする
これらのポイントを押さえて、融資・補助金・助成金をうまく活用しましょう。
※こちらは2023年11月20日現在の情報です。最新の情報はこちらからご確認ください。
融資を受ける際に気を付けるべきポイントとは
埼玉県で融資を受ける際に気を付けるべきポイントは、以下のとおりです。
開業資金の見積もりをしっかり立てる
融資を受けるためには、まず、事業を開始するために必要な資金を把握する必要があります。開業資金には、店舗の賃料や設備費、仕入れ費、運転資金など、さまざまな費用が含まれます。
開業資金の見積もりをしっかり立てることで、融資の金額や期間を適切に判断することができます。また、融資の審査を受ける際にも、開業資金の見積もりは重要な資料となります。
事業計画書を作成して、事業の実現可能性をアピールする
事業計画書は、融資の審査を受ける上で最も重要な資料です。事業計画書には、事業内容や経営戦略、収支計画などを記載します。
事業計画書を作成して、事業の実現可能性をアピールすることで、融資の審査に通過しやすくなります。
信用情報を確認し、返済能力を示す
融資を受けるためには、返済能力があることを証明する必要があります。信用情報とは、過去の借入や返済状況などの情報を記録したものです。
信用情報を確認し、返済遅延や延滞などの記録がないことを確認しましょう。また、クレジットカードやローンの利用状況も、返済能力を判断する材料となります。
金融機関の担当者としっかりコミュニケーションを取る
融資の申し込みをする前に、金融機関の担当者としっかりコミュニケーションを取ることが大切です。担当者に事業内容や経営状況などを説明し、融資の可能性を探りましょう。
また、融資の審査を受ける際には、担当者の指示に従って、必要な資料を提出しましょう。
融資を受けるタイミングを見計らう
融資を受けるタイミングも重要です。金融機関は、景気や経済状況などを考慮して、融資の判断をします。
景気や経済状況が好調なタイミングで融資を受けると、審査に通過しやすくなります。また、金融機関によっては、融資のキャンペーンを実施していることもあります。
これらのポイントを押さえて、埼玉県で融資を受ける際の準備を進めましょう。
さいたまで開業する際の費用の相場とは?
埼玉県で飲食店を開業する際の費用の相場は、以下のとおりです。
店舗の賃料:300万円から1,000万円程度
設備費:200万円から500万円程度
仕入れ費:50万円から100万円程度
運転資金:200万円から500万円程度
店舗の賃料は、立地や規模によって大きく異なります。繁華街の路面店は、1坪あたり10万円以上かかることもあります。一方、郊外の居抜き物件は、1坪あたり3万円以下で借りることも可能です。
設備費は、店舗の規模や内装のグレードによって異なります。厨房機器やテーブル、イスなどの備品、調理器具や食器などの消耗品など、さまざまな費用がかかります。
仕入れ費は、メニューや仕入れ先によって異なります。高級食材を使用する場合は、仕入れ費が高額になります。
運転資金は、開業後の運転資金として必要な資金です。人件費や仕入れ費、広告宣伝費など、さまざまな費用がかかります。
具体的な費用は、以下のような要素によって異なります。
店舗の規模:10坪の店舗と30坪の店舗では、賃料や設備費は大きく異なります。
店舗の立地:繁華街の路面店と郊外の居抜き物件では、賃料は大きく異なります。
店舗の業態:居酒屋とラーメン店では、設備費は大きく異なります。
メニュー:高級食材を使用するメニューと、一般的な食材を使用するメニューでは、仕入れ費は大きく異なります。
開業前に、しっかりと開業資金の見積もりを行い、資金計画を立てることが大切です。
さいたまで開業する際の資金調達の方法
埼玉県で飲食店を開業する際の資金調達の方法は、以下のとおりです。
自己資金
自己資金とは、自分の貯蓄や親族からの借入など、自己で用意した資金です。自己資金が十分にあれば、金融機関からの融資を受けなくても開業することができます。
融資
融資とは、金融機関から借り入れる資金です。金融機関から融資を受けるには、審査に通る必要があります。審査では、開業資金の見積もり、事業計画書、信用情報などが審査されます。
補助金・助成金
補助金・助成金とは、国や自治体から交付される支援金です。補助金・助成金を受けるには、申請書を提出する必要があります。申請書の審査に通ると、補助金・助成金が交付されます。
日本政策金融公庫は、国が100%出資する金融機関です。日本政策金融公庫は、創業支援や経営革新支援などの融資制度を実施しています。
埼玉県で飲食店を開業する際には、日本政策金融公庫の融資制度を活用することも検討しましょう。
日本政策金融公庫について
日本政策金融公庫の創業支援融資制度には、以下のようなものがあります。
創業融資
創業融資は、これから起業する個人事業主や法人を対象とした融資制度です。自己資金が少ない場合でも、融資を受けることができます。
新創業融資制度
新創業融資制度は、創業後3年以内で、年間売上高が10億円未満の中小企業を対象とした融資制度です。創業融資よりも、融資限度額や融資利率が優遇されています。
女性・若者/シニア起業家資金
女性・若者/シニア起業家資金は、女性、35歳以下または60歳以上で、創業後3年以内である中小企業を対象とした融資制度です。創業融資よりも、融資限度額や融資利率が優遇されています。
これらの融資制度を利用するには、日本政策金融公庫の窓口に相談する必要があります。
なお、日本政策金融公庫の融資制度は、全国どこの窓口でも申し込むことができます。
※こちらは2023年11月20日現在の内容です。最新の情報など詳しくは日本政策金融公庫の公式HPなどで確認してください。
さいたまで開業する際の実際の開業までの流れを解説
埼玉県で飲食店を開業する際の実際の開業までの流れは、以下のとおりです。
コンセプトの策定
まずは、飲食店のコンセプトを策定しましょう。コンセプトとは、飲食店の方向性や特徴を示すものです。コンセプトを明確にすることで、開業後の経営やマーケティングがしやすくなります。
開業資金の見積もり
次に、開業資金の見積もりを行いましょう。開業資金には、店舗の賃料や設備費、仕入れ費、運転資金など、さまざまな費用が含まれます。開業資金をしっかりと把握することで、資金調達の計画を立てやすくなります。
物件の選定
物件の選定は、開業準備の重要なステップです。立地や規模、賃料などを考慮して、自社の事業に合った物件を選びましょう。
内装工事
物件が決まったら、内装工事を行いましょう。内装工事には、デザインや施工方法など、さまざまな選択肢があります。予算やイメージなどを考慮して、最適な内装工事プランを立てましょう。
設備の導入
内装工事が完了したら、設備を導入しましょう。設備には、厨房機器やテーブル、イスなどの備品など、さまざまな種類があります。必要な設備を漏れなく導入しましょう。
食品衛生責任者の取得
飲食店を営業するには、食品衛生責任者の取得が必要です。食品衛生責任者とは、食品衛生に関する専門的な知識と技術を有する人のことで、都道府県の保健所が実施する講習を受講し、試験に合格することで取得できます。
営業許可の取得
食品衛生責任者を取得したら、営業許可を取得しましょう。営業許可とは、飲食店を営業する権利を認める許可のことで、各自治体の保健所から取得できます。
メニューの開発
メニューの開発は、開業前の重要な準備です。ターゲット層やコンセプトなどを考慮して、自社の強みを活かしたメニューを開発しましょう。
採用・教育
開業後、スタッフの採用・教育も必要です。スタッフのスキルや経験などを考慮して、採用・教育を計画しましょう。
開業準備の完了
以上が、埼玉県で飲食店を開業する際の実際の開業までの流れです。開業までの準備には、さまざまな手続きや作業が必要になります。しっかりと準備を進め、スムーズに開業できるようにしましょう。
また、開業後も、マーケティングや顧客管理など、さまざまなことに取り組む必要があります。開業後も、継続的な努力を重ねて、成功を目指しましょう。
さいたまで飲食店を開業するメリット・デメリット
メリット
多様な人口層
さいたまは人口が多様なので、様々な料理に需要があるため、幅広いターゲット層を取り込みやすいです。
アクセスの便利さ
首都圏に位置するため、交通の便が良好です。
地元客に加え観光客もアクセスしやすいこともあり、人が集まりやすく集客が見込めます。
地元食材の活用
さいたまでは農業が盛んです。地域の気候や土壌条件が適していることから、色々な農産物が生産されています。
地産地消をすることで、新鮮な料理を提供し、地域の愛着を得られます。
ラーメン文化
▲さいたまのご当地ラーメン「豆腐ラーメン」豆腐とひき肉の餡かけが麺の上に乗っている。醤油味のスープでさっぱりとしたラーメン。
さいたまはラーメン激戦区!
ラーメン店として差別化し、多様なニーズに対応しましょう。
成長市場
人口増加傾向や商業施設の拡大が見込まれるため、今後市場拡大がおおいに期待されます。
デメリット
競争激化
首都圏が近いため、多くの飲食店が存在し競争が激しく、集客や差別化が難しいです。
都市の規模や経済的な活動により、多様な飲食店やレストランが存在し、それぞれが地域の住民や観光客などの集客を獲得しようと競い合っています。
高い家賃
都市部のため、店舗の家賃が高く、経営負担が増える可能性があります。
また、さいたまの中でも観光客の多いスポットを狙うと、より家賃が高くなる傾向にあります。
人件費上昇
人手不足の影響で人件費が上昇する場合があります。そのため採用や労務管理が課題となり、手を割かれ本業に支障をきたしてしまうこともあります。
消費者の変化
多様な集客が見込まれる分、より消費者のニーズが変化しやすく、トレンドに対応する必要があります。
厳しい衛生基準
全国的に言えることですが、飲食店は厳格な衛生管理が重要で、様々な基準をクリアする必要があります。
さいたまで開業する際の開業資金を抑えるコツとは
埼玉県で飲食店を開業する際の開業資金を抑えるコツは、以下のとおりです。
自己資金を増やす
自己資金を増やすことで、金融機関からの融資の必要額を減らすことができます。そのためには、貯蓄を増やす、副業をする、親族や友人から借りるなどの方法があります。
物件や設備を中古にする
物件や設備を中古にすることで、新品よりも費用を抑えることができます。ただし、中古物件の場合は、リフォームやメンテナンスが必要になる場合もあるため、注意が必要です。
具体的な中古物件や設備の例としては、以下のようなものが挙げられます。
物件:居抜き物件、貸店舗
設備:中古厨房機器、中古テーブル・イス
なお、中古物件や設備は、必ずしも新品よりも劣っているわけではありません。場合によっては、新品よりも性能や品質が優れていることもあります。
テンポスでは多くの中古商品を取り揃えております。
DIYをする
内装や設備をDIYすることで、費用を大幅に抑えることができます。ただし、DIYのスキルや経験が必要になるため、事前にしっかりと準備をしておきましょう。
DIYでできる内装や設備の例としては、以下のようなものが挙げられます。
内装:壁の塗装、床の張り替え、照明の設置
設備:テーブルやイスの製作、カウンターの設置
また、DIYは、費用を抑えるだけでなく、自分好みの空間を作ることができるというメリットもあります。
埼玉県で飲食店を開業する際には、これらのコツを参考にして、開業資金を抑えるようにしましょう。
まとめ
埼玉県で飲食店を開業する際には、開業資金が必要となります。自己資金が十分にない場合は、金融機関からの融資を受けることが検討すべきです。
融資を受ける際には、開業資金の見積もり、事業計画書の作成、信用情報の確認、金融機関とのコミュニケーションが大切です。また、開業までの流れとしては、コンセプトの策定、物件の選定、内装工事、設備の導入、食品衛生責任者の取得、営業許可の取得、メニューの開発、採用・教育などが挙げられます。
これらのポイントを押さえて、開業準備を進めていきましょう。
以上、参考になれば幸いです。