もはや日本の国民食となったラーメン、全国チェーンのお店や各地の特色のあるお店など多種多様です。また食器一つをとっても種類が多く選ぶのも一苦労です。
ここではラーメン丼や箸、レンゲに系統だてて整理分類して お客様の提供されるラーメンに合う食器探しのお手伝いをさせていただきます。
目次
ラーメン丼の選び方
ラーメン屋の顔となるラーメン丼。一口にラーメン丼といっても形状、大きさ、色や柄なども様々です。
ラーメン丼のかたちと大きさ
丼のかたちは高台丼、切立丼の2種類が主流でこちらを中心に説明をしていきます。
ラーメン丼に使われる丼のサイズは ほとんど6.3から7.0というサイズです。
単位は寸(すん)です。(1寸は約3.0㎝)
例えば6.8寸と言っても作られる工場によってサイズはバラバラでざっとカタログを調べただけでも直径は20.3㎝~21.5cmと大きく開きがあります。直径なので1㎝違うだけでも容量は数百㏄違います。
購入するときは大きさをcmでしっかりチェックすることをおすすめします。
サンプルを購入しラーメンを入れてみて確認するに越したことはありません。
高台丼・反高台丼(こうだいどん・そりこうだいどん)
最もポピュラーでよく目にするラーメン丼がこちらの形状です。
高台(うつわの足の部分)に高さがあり、胴が少し丸みを帯びたシェイプ、口元が少し反った形が特徴です。スープがたくさん入りますので、満足感のある量が提供できる丼です。
特に人気があるのは「6.8寸反高台丼」です。商品の呼び方によっては7.0寸と表記される場合もあります。
ラーメンのランキングサイトなどでを確認すると普通のラーメン(汁麺)を提供されてるところの約半数以上のお店がこの形状の丼を使われています。
渕に余裕があるので名入れで店名をアピールする際に使いやすい大きさとなっています。
また渕に広がりがあるのでチャーシューの花びら盛りなども見栄えがします。
容量が大きい分(満水で1,250~1,400ccくらい)麺やスープが少ないと貧相になりがちです。
切立丼(きったちどん)
器の側面が「切り立っている」形をした丼です。高さが低めなので片手で持ちやすく、重ねて収納しやすい、使いやすいどんぶりです。 収納性がいいため屋台などでも人気です。
代表的なのは6.3寸の切立丼です。こちらはラーメン丼の中でも一番小さいサイズで博多ラーメンなど替玉を提供するラーメン店はこの丼が人気です。容量は900㏄前後とかなり小さくなっています。
(前出の6.8寸反高台丼は1,300㏄前後)
スープがフチまで入る場合が多いので受皿を併用されるお店が多いです。
玉丼・玉渕丼(たまどん・たまぶちどん)
丸みを帯びた形状で、口元の部分が太く丸くなっています。口元が欠けにくいように工夫されており、この部分を「玉渕(たまぶち)」と言います。具の多いラーメンなどに使われています。
北海道のラーメン店でよく目にします。あと具材が多いチャンポンなどもこの丼が好まれます。
多用丼(たようどん)
ラーメン、うどん、蕎麦、カツ丼、などあらゆる丼メニューに使う事が出来る「多用な」丼です。特に特徴が無いかたちですが、中華よりも和風の絵柄をつけたものが多く見られます。
小さなサイズのものは、つけ麺用のタレ鉢や、小丼に使われます。
変形丼
多角形のものや、楕円形、深口、ラッパ型のものなど様々な形状の器があります。あまりラーメン丼としては使われることのなかった形の器を使うと、インパクトは大きく、記憶に残りやすいでしょう。ラッパ型のものはスープが少なくて済む利点もあります。
ラーメン丼の色や図柄は?
提供されるスープの色と丼の色の相性は非常に大切です。
丼とスープが同じ色になってしまうと見栄えもよくありません。
また伝統的な柄入りの丼はオーソドックスではありますが落ち着きを感じさせ雰囲気があります。
スープの色と丼の色の関係
こちらでは丼の色とスープの組合せを見ていきましょう。
白系や青磁の丼は古くからありスープを選びません。「しょうゆ」、「みそ」、「塩」、「とんこつ」など何でも相性がが良くスープの色も引き立てます。
白い丼にしょうゆベースのスープなどは「ザ・ラーメン」と言う趣があります。
黒系の丼は「みそ」、「塩」、「とんこつ」など相性がいいです。引き締まった印象がありより白いスープが際立ちます。
赤系の丼は「みそ」、「塩」、「とんこつ」など相性がいいです。スープが熱々な印象があり写真も映えます。
伝統のある図柄
ラーメン丼の図柄の主流は、「龍」「鳳凰」「雷文(らいもん)」「双喜文(そうきもん)」があります。
『龍』の柄
龍は強力で縁起の良い力を象徴しています。貴人の力、強さ、そして幸運の象徴でもあります。中国の皇帝にとっても竜は常に権力と強さの象徴でした。
『鳳凰』の柄
中国で、聖徳をそなえた天子の兆しとして現れるとされた、孔雀(くじゃく)に似た想像上の瑞鳥(ずいちょう)。雄を「鳳(ほう)」、雌を「凰(おう)」と言う。
『雷文』の柄
中国において自然界の驚異の象徴としての雷をモチーフにしており、魔除けの効果があるといわれてます。
『双喜文』の
文字通り「喜ぶ」という漢字を二つ並べた文様で、おめでたさを表します。
名入れの丼
SNSの影響もあり名入れをするラーメン屋は増えています。昔の名入れといえば完全に出前用でしたが大手チェーンがオリジナル丼を作ったのを皮切りに増えてきました。
小ロットからの名入れが比較的安価になったことや名入れ丼作成時のデータのやり取りが簡単になったのも手伝って小規模のラーメン屋でも名入れ丼を導入される方が増えています。
名入れ丼には店主の並々ならぬ想いがつまっていおり、さらにおいしく感じます。
名入れ丼に関してくわしくはテンポスドットコムのサイトをご覧ください。
ラーメンの受け皿は必要?
最近はラーメン丼に受け皿をつけ提供するお店も増えてきました。以前は小さめの丼に並々とスープを入れ溢れた汁を受ける役目だったのが、昨今はそれに加えデザイン的な要素、またレンゲを置く用途として使われてもいます。
メラミン
一番多いのがこのメラミン受け皿です。軽量で取り扱いも楽です。
陶器
もともとは洋食器のスープ皿を使用したのがはじまりです。「8インチスープ皿」「9インチスープ皿」と呼ばれる商品で陶器製なので色がはっきりとしており見栄えがします。取り扱いには注意が必要です。
ステンレス
ステンレス製は薄く重ねても場所をとりません。ラーメン丼の底を受ける窪みがないものがほとんどで運ぶときの安定感にかけます。
ラーメン屋の箸
ラーメンを食べるのに箸は必須アイテムとなります。何気なく手に取ってラーメンを食べていますが、箸の役目は
非常に重要です。
エコ箸か割箸か?
ここ十数年の間に割箸のシェアが下がりエコ箸のシェアが上がってきました。
最初は食べにくく感じたエコ箸も改良が加えられ(食べる側が慣れてきたのもありますが)食べづらいと感じにくくなってきました。
エコ箸の種類や長さは?
樹脂の原料はPBTとSPSがあります。SPSのほうが耐熱温度が高く長持ちします。その分高価です。
長さは18cm~23cmくらいまでありますが、収納に問題無ければ21㎝以上のものをおすすめします。それより小さいと手の大きいかたなどは特に持ちにくいと感じてしまいます。
先端の形状で気になるのは滑らない工夫です。麺用に作られたトルネード箸などもありますが、よく使われているのは先端が四角い四角箸です。(さらに持ちやすいように持ち手を六角に仕上げたものもあります)
同じ四角箸でもエッジが立ったものを選びましょう。麺の掬い上げ(リフト)しやすさが全然違います。
ラーメンに向いている割箸は?
ラーメン用として考えるなら注意するのは先端の形状だけです。丸いと滑りやすいため外して考えましょう。箸袋にいれて提供するのはごくわずかな高級店のみです。箸立てか箸箱にいれておきましょう。
ラーメン屋のレンゲ
レンゲはほとんどのラーメン屋でつかわれています。昔はレンゲはほとんど使われていませんでした。丼が大きくなったのと女性客が増えたことなども理由にあるようです。
レンゲの形状
引っ掛けレンゲ
持ち手の上部に突起があり、ラーメン丼の渕に引っ掛かるため、レンゲがスープに滑り落ちるのを防ぎま す。
アゴ付レンゲ
レンゲに切り込みが入っており、ラーメンの淵に掛けて置くことができます。
レンゲの材質
プラスチック・メラミン
お手頃価格なうえ、軽くて丈夫です。破損の心配がないため、多くのラーメン屋ではメラミン製が使われています。
陶器
重さがあり高級感がある。幅広い料理に使えます。
木製
温かみがあり、軽くて手になじみます。
ステンレス
耐久性抜群。割れにくく色うつりしないので濃い料理にもおすすめです。
ラーメン丼との相性
丼の大きさ、形状とレンゲには相性があります。
代表的な6.8寸高台丼、6.3寸切立丼の2種類とレンゲの相性の画像は以下の通りです。
6.8寸高台丼との相性は?
以下の画像は6.8寸高台丼に3種類のレンゲを掛けた断面図となります。
丼のサイズを考えると最低170㎜くらいは必要なのがお分かりいただけると思います。
6.3寸切立丼との相性は?
以下の画像は6.3寸切立丼に3種類のレンゲを掛けた断面図となります。
こちらは逆に160㎜くらいのベストと思われます。3枚目の画像は明らかに大きすぎです。
まとめ
メニューの数が少ないラーメン屋だからこそひとつひとつのアイテムが重要な役割を担います。是非他の繁盛店などで使われてる食器類を調べて導入のヒントにしてください。
【YASUがゆく】ラーメンレンゲが好き過ぎ、マイレンゲを持ってラーメン店に行ってみた