そば・うどん屋を開業時に必要な厨房機器、調理道具、家具、食器などをご紹介!
あなたのお店のコンセプトに合ったものを選びましょう。
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目次
厨房機器
厨房機器は設備の中で多くの資金を必要とします。
搬入したら「サイズが間違っていた!」というようなことがないように、しっかり確認して購入しましょう。
熱機器
まず熱源をガスにするか電気にするかを決めます。
ガスの場合は、プロパンガスか都市ガスかの確認をしましょう。
都市ガスの場合は12A・13Aなどもあわせてご確認ください。
そば釜・うどん釜
かまどに置いて使用します。
底が丸く、胴のまわりにつばをつけた形になっており、鉄やステンレスや熱効率の良いアルミの素材も一般的です。
点火はマッチで点火棒に火をつけ種火、バーナーに点火します。
お客様を待つ間は、種火だけの燃焼で待機します。
フライヤー
・据え置きタイプ
揚げ物メニューがあるお店は、スタンダードな据え置きタイプを導入しましょう。
揚げ物メニューがよく出るお店では、13Lタイプや、一斗缶を全て使い切れる18Lタイプがおすすめです。
スタンダード型は、コックをひねるだけでフライヤーの下部の油缶(フライヤーの付属品)に油を排出できます。
※毎日使用する場合、油の交換目安は2,3日です。
・卓上タイプ
コンパクトタイプでヒーターユニットを取り外して掃除ができます。
油の交換は、電源を切り、油の温度が下がってから行ってください。
機器によって変わりますが、一般的な油の容量は約7Lです。
・注意点
隣にシンクがあると、水が入ってしまった時に油が飛び跳ねて大変危険です。
付属の油切板を取り付けて、シンクとの距離をあけるようにしましょう。
水洗浄した後も、完全に乾かした後に油を入れて 油の飛び跳ねの原因を防ぎましょう。
電気タイプの場合は、タコ足配線にならないように注意してください。
鋳物コンロ
大きさ、火力などたくさんの種類があります。 ガスホースをつなぎますので設置場所は自由です。
大きい寸胴を使用する時は、低めの台に設置すると中も見やすいです。
・羽根の有無
「羽根つき」の場合、炎が斜め45度に出て、目詰まりしにくいというメリットがあります。
「羽なし」の場合、鍋の平底に効率よく炎が当たるように設計されているので、炎がまっすぐでます。
・種火の有無
「種火あり」はバーナーから常に火を出している状況にすることができます。
長時間使用する場合に向いているので、常に煮炊きする場合は、「種火あり」がおすすめです。
「種火なし」はチャッカマンやライターなどで都度火を付けるタイプです。
一般的に「種火なし」の方が比較的安価で、需要も高いです。
・注意点
不完全燃焼の可能性があり、一酸化炭素中毒の危険がありますので、コンロのサイズ以上の鍋を使用しないでください。
最大使用可能鍋直径を、必ず確認しましょう。
ガステーブル・ガスレンジ
・外管式
外管式はヘダーにノズル付のガス栓があり、そのガス栓を手動で空けて点火します。
自動消火の安全装置はついていませんが、コックで火力調整することができ、火加減の微調整が可能です。
昔ながらのタイプで、着火は着火棒やチャッカマンで手動でつけます。
ガスレンジの下部のガスオーブンは、自動で温度設定はできませんので、オーブン用の温度計など使用してください。
・内管式
内管式は圧電点火式で、つまみを回すと自動的に点火します。
安全装置が装備されているものがほとんどですが、火力調整はポジションごとに異なっており、外管式のような火力の微調整はできません。
下部のガスオーブンは、100℃~350℃での温度設定が可能です。
庫内の熱風をファンで循環させるコンベクションタイプもあり、 料理をムラ無く短時間で調理できるメリットがあります。
ローレンジ・スープレンジ
大きな寸胴を使った調理がしやすいよう、ガスコンロの高さが低く設計された業務用レンジです。
大きいサイズの鍋が置けるよう強度・耐久性が考慮されています。
また、超強力な強火がでるようになっているので、大量のつゆを一気に温めることができます。
バーナーは、目詰まり防止構造により、煮こぼれによる立ち消えもなく安全です。
炊飯器
・電気
使い勝手が良く、オーソドックスです。
3升タイプは通常のコンセントでなく、200Vの電源が必要です。
~2升については、家庭用と使い方は変わりません。
炊飯してから保温するまでを1台でまかなうことができます。
・ガス
表面はしっかり、中はふっくらおいしく炊けます。
ガス栓があり、フードの下に設置する制約があります。
基本的に保温はできないので、保温ジャーが別途必要ですが、1升~2升はジャー機能付き商品もあります。
・保温ジャー
炊きあがったご飯を保温するための商品です。
ガス炊飯器には、基本保温機能はついていないため、ガス炊飯器にて炊いたご飯は保温ジャーに移し替えて保温するのが一般的です。
冷機器
冷蔵庫
冷蔵庫の目的はある程度の期間を冷やしながら保管することです。冷蔵ショーケースに比べ密閉性が高く、細かな温度設定も可能です。
扉を開けた時でも冷蔵庫の場合は約3分、冷凍庫の場合は約6分で元の設定温度に戻る様に設計されています。
・強制対流式
業務用冷蔵庫の大半は強制対流です。
冷却器で作られた冷気をファンで強制的に循環させて冷やすため、冷却能力が高いのが特徴です。
扉を開けた時に庫内の冷気が一気に流れ出てしまうため、庫内の温度が上がりますが、短時間で元の設定温度に戻る様に設計されています。
扉の開閉が多いお店は強制対流のタイプをお選びください。
・自然対流式
庫内の背面に冷却板があり、この冷却板の冷気が自然な空気の対流によって庫内温度を下げる方式の冷蔵庫です。
直接食品に冷気が当たらないことから、食品が乾燥しにくいため鮮度保持には優位といえます。
また、ファンを使わないため運転音が静かです。
強制対流と比較すると価格は安価ですが、冷却能力が低く、庫内温度にムラが生じやすいです。
ドアの開閉をあまり行わないようなお店や、補助的な使用、ドリンクの保管に使うことをおすすめします。
・注意点
レイアウトの際には、冷蔵庫のユニット(コンプレッサー)と熱機器は極力離して置きましょう。
機械下部にあるトラップからホースを使って排水溝へ流すため、近くに排水が取れる場所がベストです。
排水溝が近くにない場合は排水工事が必要となる場合もあります。
排水設備がない場合は、オプションの強制蒸発皿を付けるか、バットなどの受け皿を使用するなどの対処ができます。
バットで受ける方法は衛生的ではありませんのでご注意ください。
必ず一日に一回程度、受け皿の確認をするようにしてください。
フィルター掃除を週一回行ってください。
製氷機
1日あたりの製氷能力が25kgの製氷機の場合、貯氷量が13kg程度と半分くらいしかありません。
貯氷量が13kgに達すると製氷機は運転停止の状態になります。
そのため、一度に大量の氷が必要な場合は製氷能力だけでなく、貯氷量もチェックしてください。
20席のそば・うどん屋の場合35kgタイプがおすすめです。
・アンダーカウンタータイプ
コールドテーブルや作業台などと天板の高さを揃えることができます。
天板部分を作業スペースとして使えますので、作業効率が高いです。
・バーチカルタイプ
高さが高い分、省スペースに設置できます。
氷の取り出しが簡単で、腰をかがめることなく楽に作業を行うことができるタイプです。
小規模飲食店から中型店まで、幅広く対応しています。
・注意点
氷が山の形に貯まっていくと、落下口を塞いでしまうため製氷運転が停止してします。氷を平らにならすようにして、最大貯水量まで貯められるようにしましょう。
氷が足りない時の応急処置として、営業開始前に満タンになった製氷機の氷を清潔な袋に移して、冷凍ストッカーで保管しましょう。 設置後は、電源を入れてから60分以内で製氷できます。
初めはきれいな形にできないので何回か様子を見てください。
冷蔵ショーケース
・小型ショーケース
温度帯は3度から10度のドリンク専用の冷蔵ショーケースです。
肉や魚には温度が高すぎるため、保管に使用できません。
上部が作業台として使えるタイプもあります。
・リーチインショーケース
高さが1900mm程度あるショーケースです。お客様から見える位置に置いたり、カウンター内に置いたりしても演出効果バツグンです。
・4面ガラスショーケース
お客様への商品のアピール力がバツグンです。
フレッシュさをアピールしながらフルーツジュースやデザートの販売にもおすすめです。
扉は前面だけでなく、背面も開く機種があり、対面販売におすすめです。
冷凍ストッカー
冷凍ストッカーは、ゲンコツ ガラ等 スープ食材 チャーシューなどの肉関連の保存や氷不足時のための製氷機の氷のストックや、冷凍された食材のストックなど重宝されます。
容量の選び方は、仕入先の定期配送に合わせてどれだけストックしたら良いかを考えておく必要があります。
・チェスト式
冷気が逃げにくい、扉を上に開くタイプです。
コンパクトサイズの機種から500Lを超えるサイズまで幅広くあります。
ストッカーの上部に扉を開けられるだけのスペースが必要です。
食材を整理しにくい・取り出しにくいという点がデメリットとしてあげられます。
・スライド式
カウンターの下などのように、ストッカー上部に隙間がない場所でも使用が可能なスライド扉です。
45L~60Lのコンパクトサイズが特徴です。
デメリットとして食材を整理しにくい・取り出しにくい点があげられます。
・アップライト式
前面の扉が前に開くタイプで、食材を整理しやすく、取り出しやすいです。
冷気が逃げ出しやすく、大きさに比べ内容量が少ないです。
・超低温タイプ
庫内温度が-60℃以下の製品で、食材の鮮度を長期間保つことができます。
一般的な-20℃のタイプですと2~3か月が鮮度を保てる期間です。
-60℃以下では、タンパク質の酵素分解や、脂肪の酸化、微生物の繁殖も防ぎますので1年以上保存可能です。
・注意点
故障の原因となる為、生ものを凍らせたり、水を凍らせたりしないで下さい。
温度調節を「強」で長時間使用しない下さい。
温度帯は-20℃前後ですが、庫内表面に霜が付くと冷えが悪くなります。
霜取りの方法は、運転を停止させ自然解凍させるか、付属のスクレーパー(へら)を使用してください。
金属製のものや、アイスピックの使用はやめましょう。
調理道具
寸胴
スープ類を作るのに⽋かせないのが⼨胴です。
寸胴鍋の特徴は、底が平らで熱伝導が良いことです。
そば・うどん屋でのスープの量は300~500mlが一般的です。
繁盛店になることを踏まえ、大きめの寸胴を複数用意しておきましょう。
・アルミ
アルミ鍋の熱伝導の良さは、熱が鍋全体に伝わり、鍋の上部と下部で温度差が少なく調理をしやすい点です。
酸やアルカリに弱いため、食品の長期保存には不向きです。
耐久性にはやや欠けますので、過熱・空炊きにはご注意ください。
・ステンレス
オールマイティさと丈夫さで、飲食店で最も広く普及しているのがステンレス鍋です。
多層鋼による熱伝導の改善、軽量化、電磁調理器(IH)の普及により、主流となっています。
・モリブデン鋼
ステンレスの種類にモリブデンが含まれた、高級ステンレス素材です。
ソース・しょう油・各種タレなどの酸性や塩分が強い液体にも非常に強いのが特徴です。
濃度計・温度計
・塩分濃度計、めんつゆ濃度計
めんつゆ、だし汁、 醤油、ソース、ケチャップ、たれなどに使用できます。
実際の味と、測定値との関係を調べ、体調や個人差に左右されない味を確保できます。
目盛で計測するアナログタイプと、数値で表示するデジタルタイプがあります。
計測する食材により、自動温度補正機能や防水機能の有無を選択しましょう。
・中心温度計
中心温度計はセンサーを刺す長さに注意しましょう。
センサーの先端に温度を感知する部分があるので、そこが完全に食材に刺さるようにセンサーの太さの15~20倍を挿入しなくてはなりません。
・油酸化計
油の劣化を計測判断する計測器です。
正確な交換時期の判断が誰でも可能になり、油の有効活用が可能です。
家具
椅子
・スタンダードタイプ
背もたれが無いスツールタイプや和風イスなど、そば・うどん屋は席数確保のためコンパクトタイプが多く導入されています。
・スツールタイプ
背もたれがないので省スペースのお店に最適です。
木製の角タイプや、金物の丸タイプなど種類も豊富です。
・座り心地重視の大きめタイプ
お客様をゆったり座らせたい、とお考えの方は少し大きめの椅子を用意しましょう。
テーブル
テーブルの形には金物脚角ベースタイプや木製棚付き対立タイプなどがありますので、ご自店の雰囲気やコンセプトにあったものを選びましょう。
・メラミン化粧板
色や柄を印刷した化粧紙に、メラミン樹脂を含浸した素材を表面の仕上げに使用したものです。
そこに合板やMDFなどを貼りつけ、テーブル天板に仕上げます。
キズ・熱に強く長持ちするので飲食店では70%のシェアがあるといわれています。
・集成材
木材のひき板あるいは小角材を圧縮し、大きな板材に加工したものです。
・突板
突板とは、薄くスライスしたベニヤ板やMDFなどの合板に貼り付けたものをいいます。
集成材・突板はともに天然木ですので木の風合いを生かしレトロ調・アンティーク調なテーブルに仕上げたいお客様にオススメです。
※ただし天然木のためキズ・熱に弱いというデメリットもあります。
食器
そば・うどんの盛り付けは、普通の⽫を使うよりそば器を使うことでより⼀層雰囲気が出ます。すのこを引くことで余分な⽔分を落としてくれる役割も果たしてくれます。
セイロ
様々な形がありますが、一人前のサイズですと、7~8寸の大きさでの提供がおすすめです。
・プラスチック製
⼀番お店で使われていますのがプラスチック製です。蕎⻨だけでなく、天ぷらやお寿司の盛り付けも様になります。
洗い物なども簡単に済ますことができます。⼤量購⼊を考えるなら、安いプラスチック製がおすすめです。
・木製
本格的な⾒た⽬をだしたいのであれば、⽊製がおすすめです。⾃然な⼿触りと⽊の温もりを感じることができます。
ただし、極端な温度変化に弱いためひび割れやカビに注意が必要です。
・陶器製
陶器製は三つの中で⼀番個性を出しやすいものとなっています。飽きのこない⾊味や質感を楽しむことができます。
重く、割れやすいため、丁重に扱う必要があります。
箸
箸の種類は、「割り箸」、「樹脂製箸」、「木製箸」の三種類が一般的です。
食器洗浄機を使用するお店で「樹脂製箸」、「木製箸」を選ぶ際には、食器洗浄機可能か、耐熱温度は何度かなどの確認をしましょう。
・割り箸
割り箸も様々な材質の違いがあります。比較的安価なものだとアスペンや白樺が一般的です。
・樹脂製箸
「エコ箸」とも言われ、シェアが広がっています。コストなどを考えた上で決めましょう。
樹脂製箸を選ぶ際は、ノンスリップを選んでください。グリップがしっかりしているものは更におすすめです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
そば・うどん屋開業に必要な機器や食器などは、様々な種類があります。
特に厨房機器は何度も買い替えられるものではないので、慎重にサイズなどを確認してください。
厨房のレイアウトやオペレーションに合わせて、商品を選ぶようにしましょう。